池田満寿夫 『美の値段』

『バラはバラ』池田さんの代表作の1つ



 今年の夏はじめて蝉の声に気づいたのが、今日だった。
 だからどうしたということもないのだけれど、夏に追い立てられているような気がしてしまう。 もう夏本番だよ、早くしないと今年の夏も終ってしまうよ、そういわれているようで、なんだか焦る。自転車を気持ち早くこいで、家に帰った。


○雨模様とジイ様のお小水


 と、こんな書き出しもたまにはいいでしょうかね。いきなり口調は変わりますが……断言します。
 気象庁が梅雨明け宣言しなかったら、絶対に連日、晴れだったはず。宣言したとばかりに一週間近く、雨。ああ、スカッとしませんねえ! 天邪鬼が天気を決めているかのように、人間の宣託とは逆の天候が続く。空全体に「あかんべえ」されているかのよう。毎日毎日、山の上にいるように雲が近い。雨がジイ様のお小水のごとくピョロッと散ってはポタポタと止むんだか止まないんだか(って汚い例えですみません。私は歌舞伎とか日本舞踊関係のイベントとかに行くことが多いので、トイレで並んで待ちつつそーいうジイ様の「止まるんだか止まらないんだからチョロチョロ音」を聞いてしまうことが多いのだ。まあこれが終らないんだ終るようでジイ様)。
 あぁもぅ……イライラするったらありゃしない! 鬱憤を晴らすかのように、本ばかり読んでいる。今日は自分のための、もろもろ印象に残ったあれこれメモです。

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