サーヤはないの

すごいオーラでした

22日に書いた「めぐりあう『微妙』たち」は
少なからず反響があってびっくり。


文章がどうというのではなく、
ロミ山田を今どき雑踏で気付くオマエにびっくり」
という感慨を知人友人にもたらしたようである。


そこかよう。


まあそれはともかく、昨日は
私の芸能人の「目撃率」について書いたのだが、
さる方よりのメールで、
私には物凄い「超セレブ目撃率」を
有していることを思い出した。


それはエンペラー。それはロイヤル。
そう、私は異常なほど天皇一家の目撃率が
高いんだなこれが。もう慣れっこなほど。
天皇1回、美智子様1回、皇太子夫妻2回、
礼宮1回、高松宮妃1回という目撃率。


うーんこれって結構スゴイ数字な気がする。
だからなんだって話ですが。

天皇夫妻を最初にお見かけしたのは
わたくし芳紀17歳のみぎり。
サントリーホール中村紘子さんの
ベートーベンのピアノコンチェルト五番を
拝聴しておりましたの、ホホホ。

(なんだか林真理子のエッセイみたいになってきたが
心は渡辺みどりのつもり。衣装はプリーツ・プリーズね。
あと「芳紀」って今調べたら女性にしか使わない言葉なんですね、はい確信犯です)


まあ冗談はともかく
クラシックのリサイタルに行ってて
休憩に入りこれから第2部ってところ、
私はお手洗いに向かうべく2階の廊下に出たんですね、


そしたら。


まさに「屈強」ってな男たちが廊下じゅうに
円陣組んでるんだもの。
とおせんぼ。


いきなり「トイレはあっちからまわりなさい」って
命令口調ですよあなた。「何事か!」と思い
「理由も聞かずに回り道なんかできません
なんですかあなた」ぐらいのことを言ってのけたら
「仕方ねえなあ」みたいな面倒くさい顔しながらも
「ちょっとスペシャルなんだぜ」という気持ちを込めた
いやらしい顔をその男は一瞬見せて、急にヒソヒソ声になり
「こ・れ・か・ら・ね! 天皇皇后両陛下が・ここを通られるの・・」
と言ったとたん!


おわしました。


たまげました。


目の前1メートルぐらいを両陛下ウォーク。


ご尊顔を拝した感想ですが、誤解を恐れず書くと
なんかあの方たち「霞」がかってる感じ。現実感皆無。
フワーッと歩かれてスーッと移動するんだよね。
なんか重さが無いかんじ。透明なかんじ。


リアリティ、いや世俗に我々のレベルで
まみれてないとこうなるという最高のサンプル。
「仙性」という言葉の意味がちょっと理解できたもの。


そのままついてホールに戻ったが
「こんなに日本人天皇すきなのね」ってぐらい
聴衆熱狂。みーんな立ち上がって歓声あげたもの一斉に。
「ウォーーーーーーーーーー」って声だよ。びっくり。
日ごろ天皇制について特別な感慨は
おそらくないであろう「普通」の人々の「何か」を
奮い起こさせるパワーをしかと見た。すごい。
最盛期の坂東玉三郎だってジェシー・ノーマンの歌唱だって
あんな「ジワ」起こせない。

皇太子夫妻もそれなりのカリスマを感じたが
やっぱ生きてきた時代が
「昭和」じゃ違うわ。「戦争」というものを
知っていることが決定的に「聖人」「公人」に
ならざるを得ない、そしてなるだけの努力を
課してきた人の、安っぽい言葉だが
「オーラ」を見れたことはちょっとよかったと
思っている台風上陸直前、ホントの夏の終わり。