2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

プレミアム10「赤塚不二夫なのだ」

昨日のNHK総合プレミアム10「赤塚不二夫なのだ」、これがとーーっても面白かった。スタッフが労をいとわず、あらゆる資料を集め、インタビューをとり、赤塚不二夫を全角度から見つめ上げた120分。なんと素敵な、ドキュメント・ショーだろう!

シドニー・ポラックと福岡の天袋女

「ええっ!」思わず声を出してしまった、ネットニュースの訃報欄。シドニー・ポラック監督、急逝の知らせ。このところ『モンテーニュ通りのカフェ』『フィクサー』と出演作が立て続けに公開されたばかりというのに。監督・俳優・プロデューサーと、どの分野…

船場吉兆、ゼクシイ、新宿コマ……最近の備忘録

○廃業という幕切れ かつて小泉純一郎が田中真紀子に向かって「涙は女の武器だねえ」といったのを思い出す。異論は多いだろうけれど、本当にそうだなあと私は思ってしまう。「女が泣く」というシチュエーションって……男にとっても、女にとっても、「困った」…

なぜか「加藤治子」について考えてしまった水曜日

「すっとぼけ」――女優・加藤治子の魅力をひとことでいうなら、これしかないと思う。缶コーヒー「ジョージア」の新CM、ご覧になられましたでしょうか。「ジョージア!」と治子の声でCMが終わるたび、なんとも不思議な笑いがこみ上げてくる。ミョーに愉快な気…

acteur(アクチュール) No.11 (2008 JUNE) (キネ旬ムック)出版社/メーカー: キネマ旬報社発売日: 2008/05/23メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 37回この商品を含むブログ (8件) を見る

「actuer」+「車夫? 車婦?」

「江守徹」って芸名だったんですね、いやー知らなかった。フランスの大劇作家にしてコメディ・フランセーズの象徴、「モリエール」をもじってつけたんだそうです。ふへぇ……こーんな「超・大物」を芸名に拝借しちゃうそのセンスが、凄い。デビュー前からして…

稲森いずみ賛!―篤姫雑感2―

「思わぬ儲けもの!」 心の中でそう呟いてしまった。「篤姫」で筆頭御年寄・滝山を演じる稲森いずみ、ことのほか素晴らしい存在感を放っていて見逃せない。 その涼しげな美貌に漂う、冷感な女の風情。月の光に輝くブラックオパールのようだ。「大奥」という…

松坂慶子はもはや琴欧州を超えた―篤姫雑感―

江戸城にお輿入れされてからというもの、完全に「女の対決ドラマ」と化してしまった大河ドラマ、「篤姫」。この3週ほど殆ど男は出てきません。こんなことは大河始まって以来じゃないでしょうか。しかし考えてみれば、大原麗子主演「春日局」以来の女座長なの…

山口いづみさんの「程よさ」

SoftbankのCM、最近流れている「同窓会編」が印象的。犬のおとうさんが宴席で憧れだった女の子と再会……というシチュエーションなのだけれど、そのお相手が「山口いづみ」。一瞬女子高生時代の写真が入るんですが、いやーーーー、これが可愛いったらない! こ…

テレビの職人さん

なんですか文字放送のテロップ、っていうんでしょうかね。スーパーインポーズ。普通のテレビ放送を即座に打ち込んで、字幕をつける職業の方々。先日テレビでその模様を映していたんですが……いやーすごかった。速い速い、埼京線みたいに速い。 なんでもこの世…

鰻屋のメロン

浅草寺から3分ほど、とある鰻屋さんでのこと。その店に入るなり、賑やかな笑い声が聞こえる。なんの集まりだろうか、10人ほど、それも男ばかりの小さな宴が催されていた。 みな頭はすっかり白髪、またはあと何本かと数えられるほどのご年配。みな相好を崩し…

東京土山人に進路を取れ

大変だ! 蕎麦好きの人は急いだほうがいい。蕎麦屋「東京土山人」の蕎麦打ち職人、早内さんがいなくなってしまう。彼の打つ蕎麦は端正そのもの、香り高く上品で、美しい。まあ……次に入られるという方も、聞けば同じ門下なのだとか。だからそう間違いはないだ…

毎日新聞の写真に思う

今日の毎日新聞、一面に子供の写真が載っている。子供の、死体の手のアップだ。四川の瓦礫の中、手だけが伸びている。ペンを握りしめたまま、その子は亡くなっていた。爪が黒く変色している。 言葉もない。ただ、言葉にならない思いがわきあがる。何を写し撮…

吉右衛門の伊右衛門

こういう伊右衛門があるとは―――。 お岩を騙す夫・伊右衛門は、歌舞伎の世界で「色悪」と呼ばれる役どころ。簡単にいって字のごとく、色男で悪いやつ。私がこれまで伊右衛門に抱いてきたイメージは、すっきり江戸前、「ようすのいい」美男子ながら、欲に流さ…

「東海道四谷怪談」

目の前に瞬間、役者絵がひろがる。そのスケールは空を行く大凧のごとく雄大で、描き手はもちろん、写楽! 歌舞伎のアナーキズムを極限までデフォルメした写楽の世界が、つかのま劇場に満ち溢れる。ああ、これこれ、これを体験したくて私は、中村吉右衛門の舞…

祝・仲直り 「美味しんぼ」のこと

対立し続けること、はや25年。日本が生んだ最大のグルメ親子、山岡士郎&海原雄山のお二方が終(つい)に和解されました。いやー感無量です……こんな日が来るとは。これは漫画界における「歴史的仲直り」といっても過言ではありません。政界で例えるなら田中…