松坂慶子はもはや琴欧州を超えた―篤姫雑感―

それも愛

 江戸城にお輿入れされてからというもの、完全に「女の対決ドラマ」と化してしまった大河ドラマ、「篤姫」。この3週ほど殆ど男は出てきません。こんなことは大河始まって以来じゃないでしょうか。しかし考えてみれば、大原麗子主演「春日局」以来の女座長なのですね、宮崎あおいって。純然たる女座長といえば、佐久間良子おんな太閤記)、三田佳子(いのち)を加えて4人目だろうか。そう考えると、やはり快挙なのだなあ。
  今回の「妻の戦」でも感じたことだが、「表情演技」でけっこう魅せてしまう役者だ。アップにたえる――というと簡単だけど、「溢れ出るものの豊かさ」を感じさせる。それが一本調子でないのが、いい。様々な表情をもっている、テレビの主演者にとって一番大事なことだと思う。しかしさすがに、それだけでは物足りない。残り29週どうやって乗り切っていくか、楽しみだ。今日は篤姫雑感を。
松坂慶子の凄さ
 ご覧になりましたか大相撲夏場所琴欧州の最後の取り組み、「はっけよい、のこった!」直前の眼光たるや素晴らしいものでした。あの気迫、戦闘意欲あふれる眼差し……「敵を殺(と)る」というファイターの目に他なりません。あれ……最近これに似た目を見たような……そう、松坂慶子さん演じる幾島の「目」です。大奥入城以来、完全に慶子の眼差しはファイターのそれ。そう、慶子はすでに「力士」。いつみても一生懸命なその演技、私には「がぶり寄り」という言葉が浮かんでなりません。
 松坂さん、毎回予想を裏切らない熱演と発奮を見せてくれます。お約束のようにいつも「姫様っ」「何事じゃ!」「控えよ!」と、凄みを利かせるたびに「ぷくぅ」と膨らむ鼻の穴。前回の「婚礼の夜」では側室がいることを知るや、
「姫様ぁ……これは女のいくさでございますッ!」と「ぷくぅ」。ごっつぁんです!
今回の「妻の戦」では、殿様の歓心を買うために姫様を飾り立てようと
「いくら金子はかかっても構わぬと伝えよっ!」と腰元たちに「ぷくぅ」と命令。ごっつぁんです! そして「気ィ引き締めて行くわよッ」とでも言いたげに、「パッシーン!」と自分の帯をひと叩きしたのでした。どすこーい! 
 明日も篤姫のキャスト雑感を。


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