2010-01-01から1年間の記事一覧

『君を想って海をゆく』

これね、いい映画なんですよ。 先週末に公開されたての『君を想って海をゆく』。12月も後半、大作話題作がたくさん公開されてて埋もれがちな一本かもしれない。なのでちょっとここでもご紹介しておきたい。個人的にエールを送っておきたいのだ! 監督はフィ…

十二月日生劇場大歌舞伎

今、もっとも美しい歌舞伎の女形は、間違いなく尾上菊之助だ。 このひとの女形の舞台は、見逃したくない。心技体の充実、なにより一握りの舞台役者しか放出しえない、ある種の「きらきらしさ」を持っているひとだから。それはまるで蝶の鱗粉のような、光の残…

銀座のモナリザとスターの手形

先日、銀座を歩いていたら不思議なものが目にとまりました。 阪急とか不二家のある、あの交差点をわたろうとしていたときのこと。 おやっ、あれはなんだろう? モナリザがふたり……? 前髪オンザのモナリザ? てっ、徹子!? アップにしてみましょう。 ばよーん…

『クリスマス・ストーリー』

明日から公開されるアルノー・デプレシャン監督の『クリスマス・ストーリー』。 これ、すごく私は好きだった。恵比寿ガーデンシネマのみの公開、そして最近めっきり入りが悪いというフランス映画。勝手ながら応援したいので、ここで書いておきたい。 こーい…

由紀さおり RADIO DAYS 1969 

突然だが、私は若尾文子が好きだ。この愛情は尊敬の念に近い。 いろんな点で優れたひとだと思うが、容貌、演技力、口頭表現力……そういった様々なものを一括して、長きにわたり高水準をキープしている。簡単に言えば、そういったプロ意識に惹かれているんだと…

過日、東京国際映画祭にて

ひとつ、気づかされた。 私は今まで宝石というのは、それ自体が光を乱反射して輝くものだと思っていた。 違うんですね。 宝石というのは本来は、着ける人自身から発せられる光を反射し、輝くものなのだ。カトリーヌ・ドヌーヴという女優を目の当たりにする機…

中森明菜『夜のヒットスタジオ』DVD

朝からえっらいテンション上がりましたっ! なんとですよ、中森明菜の『夜のヒットスタジオ』出演シーンをまとめたDVD6枚組が発売されるんだそうです。以下ニュースより転載。 フジテレビ系音楽番組「夜のヒットスタジオ」に中森明菜が出演した際の映像をま…

京阪神エルマガジン社『銀座本』

告知ばかりですみません。 今日発売のこの『銀座本』に参加してます。銀座のランチ特集、割烹のページ、そして念願の県のアンテナショップページが僕のライティング。県ショップはかねてよりやりたかった企画で、編集さんがのってくれたのが嬉しかったなあ。…

佐々木芽生監督にインタビュー

発売中の『テレビブロス』でインタビューをやらせて頂きました。11月13日から渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開されるドキュメント『ハーブ&ドロシー』を監督された佐々木芽生さんにお話を伺っています。 これね、いーんですよ。ドキュメントやアー…

『隠された日記 母たち 娘たち』

ゆうゆう 2010年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2010/11/01メディア: 雑誌 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 今回の表紙は佐久間良子さん。我が幼き日よりの憧れの女優さんです。ま、それはさておき。今回の映画欄ではカ…

スタアの死

なんだか人の死に関する日記ばかりになるのが自分でも悲しくて、嫌で、随分と延ばしたままになっていた。 俳優、池部良さんが10月8日、敗血症のため亡くなられた。92歳。 池部さんは能筆でも知られ、多くのエッセイの連載を持たれていた(晩年はほぼそちらの…

ただいま発売中!

京阪神エルマガジン社から発売のこちらの本。 タイトルのとおり、東京のエリア別にたくさんの手みやげが集められております。私は銀座と人形町、築地を中心にライティング参加しているので、よかったらお手にとってみてください。 出版社のサイトでは立ち読…

ユーロスペースにて公開中

あ、そうそう。 先週の土曜日にユーロスペースで公開されたアルゼンチン映画『ルイーサ』が面白い。 面白い、なんて書いちゃうと「楽しいコメディ」と直球に受け取るひともいるかもしれない。地味な話です。明るい話では……決してないと思う。でもね、素敵な…

キャンセル!

“♪あっのぉ〜ひっとは〜行って行ってしっまったぁ〜〜!” 『よこはま・たそがれ』ならぬ『ラドルプ・たそがれ』。 いやーーーーーーーーーーー帰っちゃいましたねラドゥ・ルプー! いやはや、なんともはや。とほほ(涙)。 本来ならこの19日、サントリーホー…

名女優がまたひとり

「池内淳子さん死去」というヘッドラインをツイッターで知ったときは、本当に声を上げてしまった。驚いた……。 肺せんがん、76歳。最近もテレビでお名前を耳にしていたように思っていたので、ひたすらに驚いた。好きな女優さんでした。病状が急速に悪くなられ…

『エゴイスト』浅田マコト

エゴイスト作者: 浅田マコト出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/09/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 28回この商品を含むブログ (4件) を見る 行間から思いが漂う文章は多々あるが、字間から思いが染み出てくる小説は多くはない。この小説を読み終え…

14日の歌舞伎座

マガジンハウスに抜けるほうの道、そこのとある死角から撮影しました。この日で表一枚残すのみ。今はもう、すべてなくなったことだろう。完全に、ついえてしまったなあ。 写真を撮っていたら、工事の人が思いがけないところからフッと現れた。 「何してるん…

小林桂樹さん、死去。

小林桂樹さんが亡くなられた。 私はこのかたの相貌が好きだった。なんだか変な表現ですが……「ありがたい」という気持ちに自然なるんですね、拝見してるだけで。うまくいえんのですが、「あ、はい、すいません、がんばります」と、観るたびに自然と謙虚な気持…

『悪人』&『オカンの嫁入り』

ゆうゆう 2010年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2010/09/01メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 発売中の『ゆうゆう』(主婦の友社)の映画欄にて、今月は『悪人』を紹介しています。 今週末公開、主演、妻夫…

『ハーパー・リーガン』

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「買ってきたばかりのトランプ」 第一幕を観ながら、そんなイメージが頭に浮かんでいた。 当然、買いたてのトランプは切れていない。1、2、3、4、5……と、きれいに数字が並んでいる。 俳…

『女優ジャンヌ・モロー 型破りの聖像』

女優ジャンヌ・モロー―型破りの聖像(イコン)作者: マリアンヌグレイ,Marianne Gray,小沢瑞穂出版社/メーカー: 日之出出版発売日: 1998/12メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 78回この商品を含むブログ (3件) を見る ホントになんでまあこんな面白い本をと…

南美江さん、逝く

三島由紀夫の戯曲『サド公爵夫人』を読んだことのある方ならお分かりだろうが、とてつもない長台詞の連続だ。 ちょっと手元にないので確かめられないが、ぎっちりと字の詰まった古い文庫本で2ページ超なんてのもあったような気がする。 それらのセリフはいわ…

園佳也子さん、逝く

ここ最近立て続けに、好きだった女優さんが二人亡くなられた。どちらも名脇役で、味のある方だった。そのおふたりのことを、書きとめておきたい。○園佳也子さん「場面さらい」 そんな表現がふさわしい方だった。アクの強い役をよく演じられていて、彼女が出…

舞台『じゃじゃ馬馴らし』のポスターより

渋谷駅に貼ってある舞台『じゃじゃ馬馴らし』の前で思わず足を止めてしまった。いや、止められたというか、居すくめられたというか……。 一番左の方、お分かりになりますか。歌舞伎の市川亀治郎。この舞台オール・メールでやるんだそうだが、この写真の亀治郎…

『セラフィーヌの庭』

いかに日頃「余計なセリフ」をたくさん耳にしているか、思い知らされた。 この映画を観て、まず思ったのはそこだ。必要最低限のセリフで、最大限に登場人物の心の中を照らしだしている。観る者に伝えてくる。 物語の冒頭、ほとんど主人公であるセラフィーヌ…

参院選に思う

私の周囲には全くいないが、世の中には確実に存在する厚い、厚い「層」がある。その代表的な2つが、今までは ・「キムタクに抱かれてみたい女」 ・「藤原紀香に憧れる人々」 という二層だったんだが、今日からそこに ・「谷亮子に本当に投票してしまう人」 …

映画『ロストクライム 閃光』

今日3日から公開の本作のプログラムで、インタビューを担当させて頂きました。 主演の渡辺大、奥田瑛二の両氏、そして伊藤俊也監督の御三方にお話を伺っています。 役、作品へのアプローチ、そしてこのテーマとなる三億円事件のこと、その当時の印象、イメー…

新潟の海にて

先日、新潟県に行ってきました。西蒲原群巻町というところ。詳しくはこちらの食日記を参照して頂くとして(→独酌日記)、その帰り道に海に寄ってきたんですね。「初夏の海がみたくて・・・」というポエジーな気持ちでもなーーーーんでもなく。「都市部まで行…

『パリ20区、僕たちのクラス』

ゆうゆう 2010年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2010/06/01メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 気がつけば、5月は1度も更新しませんでした・・・。 もう完全にツイッターに移行しております。そのうちひょっ…

 歌舞伎座閉場式

どうなのかなあ。どうなのかなあ? いきなり興醒めなことを書きますが、正直……ノレなかった。 内容的には感動した点も、あるんだけどね。やっぱり「式」を2回やる、ってのが分からない。「式」ならば一度が本当でしょう(この日は同じ内容を午前・午後と2回…