ユーロスペースにて公開中

 あ、そうそう。

 先週の土曜日にユーロスペースで公開されたアルゼンチン映画『ルイーサ』が面白い。
 面白い、なんて書いちゃうと「楽しいコメディ」と直球に受け取るひともいるかもしれない。地味な話です。明るい話では……決してないと思う。でもね、素敵な映画なんですよ。

 詳しくはいつものように発売中の『ゆうゆう』(主婦の友社)に書いてあるので、そちらを読んでみてほしい。本屋さんで「『ゆうゆう』って雑誌ありますか?」と訊くだけでもですねあなた、この出版不況を改善する一助になるのですよ! 私のブログなんかのぞくひとは絶対に雑誌や映画が好きな人のはず。さあ本屋でたずねてみて、Where is ゆうゆう! 間違って『いきいき』はどこかとか訊かないように。冗談ですよ冗談。

ゆうゆう 2010年 11月号 [雑誌]

ゆうゆう 2010年 11月号 [雑誌]

「いくつになっても心に希望は持ちえるんだ、もし、やろうと思い立てるならば」

 この手のセリフって、のっけから言われると私なんかのような捻じ曲がった人間は「ケッ」とか思ってしまうんですが、映画を観終わった後にジワーッとそんな思いに自然となるような。そんな映画です。
 初老の女性、ルイーサが冒頭どんどん不幸になっていく。そして状況は決して変わらないのだけれど、ラスト向けて、彼女の心のありよう、持ちようがどんどん前向きに変わっていく。このプロセスに、私は心打たれた。絶望の淵にあったひとの心に再びともしびがともる。この瞬間のルイーサの表情! このシーンにスクリーンで出逢えて、私はしあわせだった。タイトルロールを演じたアルゼンチンの名女優、レオノール・マンソが素晴らしい。ぜひ映画館で。