ステージ

『エリソ・ヴィルサラーゼ リサイタル』

3日、すみだトリフォニーホール、大ホールにて。 まずもう、「行って、良かった……」です。ホントに。久々だなあ、こういう充足感。 クラシック・ピアノにおける古典派、そしてロマン派両方の真髄を感じさせてくれる、素晴らしいリサイタルだったと思う。 エ…

崎谷明弘ピアノリサイタル

テレビで日本音楽コンクールのドキュメントが放映されていたのは、もう2年も前のこと。 そのとき、ほんのちょっとしか聴けなかったのだけれど、このひとのベートーヴェンが耳に残った。いつかじっくり聴いてみたいと思っていた。ずっとフランスに留学されて…

十二月日生劇場大歌舞伎

今、もっとも美しい歌舞伎の女形は、間違いなく尾上菊之助だ。 このひとの女形の舞台は、見逃したくない。心技体の充実、なにより一握りの舞台役者しか放出しえない、ある種の「きらきらしさ」を持っているひとだから。それはまるで蝶の鱗粉のような、光の残…

由紀さおり RADIO DAYS 1969 

突然だが、私は若尾文子が好きだ。この愛情は尊敬の念に近い。 いろんな点で優れたひとだと思うが、容貌、演技力、口頭表現力……そういった様々なものを一括して、長きにわたり高水準をキープしている。簡単に言えば、そういったプロ意識に惹かれているんだと…

『ハーパー・リーガン』

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「買ってきたばかりのトランプ」 第一幕を観ながら、そんなイメージが頭に浮かんでいた。 当然、買いたてのトランプは切れていない。1、2、3、4、5……と、きれいに数字が並んでいる。 俳…

 意外な舞台化から広がる宝塚妄想

衝撃が走った。 このフレーズを心から言葉として遣えることなど年に何度もあるものではない。日比谷、東京宝塚劇場の前で私は白昼「ええええっ!」と大声を出してしまった。誰も振り返らない。東京って便利。話を急ぐ。 『相棒』ってドラマ、ありますね。あ…

 坂東玉三郎 失望の特別舞踊公演

即断だった。 玉三郎が八千代座百年の記念公演として『京鹿子娘道成寺』を出す。そう聞いて、チケット購入を即決した。 変な予感がしたのだ。 「これが、最後かもしれない」 玉三郎の『道成寺』が「歌舞伎座さよなら公演」、その最終月(来年四月)の目玉に…

 『ガス人間第1号』

ちょっといろんなことがあって日記をつけられないでいた。さかのぼって行動と印象の記録だけつけておきたい。 この日は日比谷・シアタークリエにて『ガス人間第1号』を拝見。 参加メンバーの中では、「中村中」が一番「舞台的存在感」を放っていた。 うん、…

 「牽引力」のある女優、松たか子

『ジェーン・エア』 (9月17日 夜の部) 本作を、松たか子独演のひとり芝居ミュージカル『ジェーン・エア』として観たい。大上段にいわせてもらえば、やらせてみたい。 それほどに、松たか子が素晴らしかった! なんといってもこのひとは、舞台人として最も…

森光子主演『放浪記』

ひとことでいうと、「結婚式みたいだな」と思ったんですね。 以下、変な例えですが、こんな感じ。