2010-01-01から1年間の記事一覧

『御名残四月大歌舞伎』その2

もう歌舞伎座内、写真を撮る人だらけです。 まあねえ。千穐楽だもんなあ。せんしゅうらく、ね。「千秋楽」だとどうにも感じが出ない。1年続いたさよなら歌舞伎座興行、これがホントの最後の千穐楽。 入り口から見れば道路はカメラに携帯片手の人ばかり。中で…

『御名残四月大歌舞伎』その1

「響き」なんだよね、やっぱり。 歌舞伎座の魅力というのは、この響きなんだなあ、と再認識。本当に久しぶりに1階席で拝見しましたが、役者の声が発せられてから天井、そして大向こうに響いて、また1階に帰ってくるこの感じ、この響き! 本当に歌舞伎座のそ…

『廓育ち』(1964)

やはり、大物は違う。 若い頃の鍛え方がモノをいう――昔からよく言われることですが、いまその言葉を心から実感しています。私も今まで様々な「女優映画」を観てきました。女優が主演の、女優の魅力がこれでもかと引き出された映画。そういう映画が私は大好き…

本当に最近更新しなくなってしまった。汗

こんな駄ブログですが、いつも読んで下さっている方、ごめんなさい。 そのかわりというか、ツイッターの頻度は増すばかり。■白央篤司のツイッター→こちら ツイッターをやられていないかたは、まとめてお読みいただけるこちらをどうぞ。 ■白央篤司のツイログ…

傑作『息もできない』

渋谷・シネマライズにて4月23日まで公開予定→インフォメーションはこちら ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「苦手な映画」ってのは、それぞれあるもんでしょう。 私の場合、「暴力・流血・ヤクザ・アクション・戦争・体育会系」こういうワードが入ってくるだけで、…

新橋演舞場『染模様恩愛御書』その2

まず、なんといっても中村芝のぶ! うまいねえ……うまいなあ、嬉しくなっちゃうねえ。観ていて思わず、「ンまいね!」と呟いてしまいました。 しのぶ、と読むこの女形さん、二役演じて奥方と娘の二態を見せる。これがまあどっちも見事。「ものになる」っての…

新橋演舞場『染模様恩愛御書』

「BL歌舞伎」、なんだそうですよ。 BL=ボーイズ・ラブ。この言葉の解釈もいろいろでしょうが、うーん……私がこう聞いてパッと出てくるのは「やおい」とかそういう世界ですけどね。一部の少女漫画界を席巻している、キレーな男の子たちの恋愛もの、とでもいえ…

『アンプロフェット』

今日から、フランス映画祭2010が開催! 六本木ヒルズでやってます。いきなりですが……ああ、己が怠惰が情けない! これに関して、取り急ぎお伝えたいことがあるのです。 明日の夜に上映される『アンプロフェット』という作品、これが素晴らしかった……。息を呑…

『スタジオパークにて』・後編

あれは夢か、まぼろしか。テレビ収録なんていう実に生臭い現場なんですけれども、今思い返して、やっぱりそんな気分になってしまう。はい、若尾文子その人の「拝観」メモ。お待たせしました。 うーん……確かに目の前2メートルぐらいのところにいらしたのだけ…

『スタジオパーク』にて・前編

私はその日、東京の渋谷はNHKスタジオにおりました。『スタジオパークからこんにちは』という番組をご存知でしょうか。お昼にやってますね、ゲストをひとり迎えてのトーク番組。 私はこういうシンプルなトーク番組が大好きなので、毎週HPでの「来週のゲスト…

『17歳の肖像』

分からない。判らない。ああ、まーーーーーーーーーったく解らない! 主演女優、キャリー・マリガンの「魅力」が、私にゃもうさっぱり分からなくて。この女優さん、えらい評判らしいんですよ。本作でアカデミー主演女優賞にもノミネートされ、作品自体も作品…

松本清張傑作選より『二階』

松本清張傑作選 第一弾DVD-BOX出版社/メーカー: TCエンタテインメント発売日: 2009/11/06メディア: DVD クリック: 36回この商品を含むブログ (4件) を見る 因循……。 この言葉だけが持つ、濃密な情念の世界。それがこのドラマ『二階』(1977)です。考えても…

『Numero』&『ゆうゆう』4月号

Numero TOKYO ( ヌメロ・トウキョウ ) 2010年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2010/02/26メディア: 雑誌 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る 昨日発売かな、扶桑社の『Numero』に書いております。「新ヤマトナデシコ育成講座」と…

『東京の休日』

最近の神保町シアター、好企画を連発してるなあ! その名のとおり神保町にある名画座なんですけどね、このブログでもたびたび登場しているが、観やすくて、きれいで、いい劇場(と、書いて「こや」と読んで頂きたい)なんですよ。 今やってるのが、「オール…

松井誠という「おのこ」

みなさんはご存知でしたでしょうか……。 松井誠が、山田五十鈴の「芸養子」であることを! 知らなかった……知らなかったよ……。昨日それを知って私は随分とまあ驚いてしまった。信じられなかった。 「芸養子」って耳慣れない言葉だとは思いますが、主に古典芸能…

「午前十時の映画祭」

全国TOHO系の映画館で開催中のこの企画。 詳しくは公式サイトを参照してほしいのだけれど、文字通り午前中に名画を上映するイベント。問答無用の大名画『ローマの休日』『12人の怒れる男』(必見!)などから、『追憶』、『2001年宇宙の旅』、『ゴッドファー…

答え合わせ・四月大歌舞伎配役

ようやく四月の配役が決定に。 ツイッターに「吉積サイモン氏のブログに四月キャスト発表!」の文字が載ったのが10:45(吉積氏は歌舞伎座の会場係などをやられている方です。ハーフ的な顔立ちの方、見覚えある方も多いのでは?)。しかしこのブログ写真が全…

妄想キャスティング・四月大歌舞伎

また『連獅子』か……。 昨日からやってる「勝手に予想・さよなら歌舞伎座キャスティング」ですが、四月の第1部に『連獅子』が出るんですね。これは考えるまでもなく中村勘三郎、勘太郎と七之助で3人でやるんだろう。 うーん……もういっそのこと、歌舞伎座フィ…

妄想キャスティング・三月大歌舞伎

先日(19日)歌舞伎座に行ったら、3月4月の演目が発表になっていたんですね。ただし、「演目」だけ。そう、キャスティングはまだ。難航してるなー。20日には発表できそう、なんて声も聞こえてたんですけどね。 なんと3月4月は異例の3部制! うーーーーーーー…

 初春大歌舞伎 19日夜の部『春の寿』

異様というより、他なかった。 2年ぶりの舞台復帰。しかし体調が整わず、初日から休演(このへんのことは、2日の日記を参照してください→こちら)。 やはり無理かと諦めていたところ、19日になって「本日出演」の知らせ! こうしちゃいられないとマッハで駆…

 お詫びと、小ネタ写真日記

こんなブログでも、読んで下さってる方というのはいらっしゃるんですね。ありがたいことです。ありがとうございます。更新全然しないですみません。 何か書きたいな、とは思うのですが……先ごろから書いているとおり、ツイッターのほうでそういった欲求が随分…

『ずっとあなたを愛してる』

『ゆうゆう』(主婦の友社)という雑誌、書店で探してみてください。 担当させて頂いてる映画欄でフランス映画の『ずっとあなたを愛してる』について書いています。

 賞賛と怒り半ばする勘三郎の『京鹿子娘道成寺』

まず「道行」、これが実に…………良かった! 上手が上手に踊らない、という「うまさ」を分かって頂けるだろうか。伸びやかで、自然のリズムと体が溶け合っている。踊りに対して専心している、素敵な「道行」だった。 15、6歳くらいの「娘」が匂ってくるよう。貝…

まさに眼福、吉右衛門の梅王丸

歌舞伎座の裏に、たこやき屋があるんですよ。 『anan』などの出版社、マガジンハウスのちょうど目の前。少し早く歌舞伎座に着いたもんで、辺りをブラブラすれば、このたこやき屋がけっこうな賑わい。 いかにも近所、といった方々が、家族分だろうか、2、3パ…

 さよなら歌舞伎座、さよならなのか雀右衛門

初春大歌舞伎の初日。 東京・木挽町は歌舞伎座に駆けつけた私の心は揺れに揺れに揺れていた! こんな気持ちは……ああ懐かしの「受験発表」以来。求める「こたえ」がすぐ目の前にあるのに、直視したくない……でも早く安心もしたいっ! 私の懸念はただひとつ、「…

 明けましておめでとうございます。

旧年中は本当にありがとうございました。 今年もどうぞ、よろしくお願い致します。 白央篤司