映画鑑賞記

6/8公開『世界が食べられなくなる日』

遺伝子組み換え作物、そして原子力の問題を追ったフランスのドキュメント。食をテーマにしていることもあり、試写を拝見させて頂きました。 多くの覚えておくべき知識を与えてくれた映画でしたが、一方で非常に啓蒙を目的とした真面目な、悪くいえば批判を目…

『預言者』

先週末から公開されているこの映画、ちょっと応援したいのです。 昨年のフランス映画祭で上映されたので観た方もいると思う。 『リード・マイ・リップス』ジャック・オディアール監督の最新作にして、カンヌ・グランプリ受賞作。 去年の試写で拝見したんだけ…

2月のまとめ・その1

●2月4日、銀座シネパトスにて『首』。 昨年9月に亡くなられた小林桂樹さんの追悼特集、これを観たことを書きとめておきたい。 4日は最終日だった。 銀座シネパトス小林桂樹特集、『首』。正義を追う余り妄執に囚われた弁護士の話、と思いきやちょ、ちょっと…

『君を想って海をゆく』

これね、いい映画なんですよ。 先週末に公開されたての『君を想って海をゆく』。12月も後半、大作話題作がたくさん公開されてて埋もれがちな一本かもしれない。なのでちょっとここでもご紹介しておきたい。個人的にエールを送っておきたいのだ! 監督はフィ…

『クリスマス・ストーリー』

明日から公開されるアルノー・デプレシャン監督の『クリスマス・ストーリー』。 これ、すごく私は好きだった。恵比寿ガーデンシネマのみの公開、そして最近めっきり入りが悪いというフランス映画。勝手ながら応援したいので、ここで書いておきたい。 こーい…

『セラフィーヌの庭』

いかに日頃「余計なセリフ」をたくさん耳にしているか、思い知らされた。 この映画を観て、まず思ったのはそこだ。必要最低限のセリフで、最大限に登場人物の心の中を照らしだしている。観る者に伝えてくる。 物語の冒頭、ほとんど主人公であるセラフィーヌ…

『パリ20区、僕たちのクラス』

ゆうゆう 2010年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2010/06/01メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 気がつけば、5月は1度も更新しませんでした・・・。 もう完全にツイッターに移行しております。そのうちひょっ…

傑作『息もできない』

渋谷・シネマライズにて4月23日まで公開予定→インフォメーションはこちら ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「苦手な映画」ってのは、それぞれあるもんでしょう。 私の場合、「暴力・流血・ヤクザ・アクション・戦争・体育会系」こういうワードが入ってくるだけで、…

『アンプロフェット』

今日から、フランス映画祭2010が開催! 六本木ヒルズでやってます。いきなりですが……ああ、己が怠惰が情けない! これに関して、取り急ぎお伝えたいことがあるのです。 明日の夜に上映される『アンプロフェット』という作品、これが素晴らしかった……。息を呑…

『17歳の肖像』

分からない。判らない。ああ、まーーーーーーーーーったく解らない! 主演女優、キャリー・マリガンの「魅力」が、私にゃもうさっぱり分からなくて。この女優さん、えらい評判らしいんですよ。本作でアカデミー主演女優賞にもノミネートされ、作品自体も作品…

『東京の休日』

最近の神保町シアター、好企画を連発してるなあ! その名のとおり神保町にある名画座なんですけどね、このブログでもたびたび登場しているが、観やすくて、きれいで、いい劇場(と、書いて「こや」と読んで頂きたい)なんですよ。 今やってるのが、「オール…

「午前十時の映画祭」

全国TOHO系の映画館で開催中のこの企画。 詳しくは公式サイトを参照してほしいのだけれど、文字通り午前中に名画を上映するイベント。問答無用の大名画『ローマの休日』『12人の怒れる男』(必見!)などから、『追憶』、『2001年宇宙の旅』、『ゴッドファー…

『ずっとあなたを愛してる』

『ゆうゆう』(主婦の友社)という雑誌、書店で探してみてください。 担当させて頂いてる映画欄でフランス映画の『ずっとあなたを愛してる』について書いています。

 ジル・ロマンへの感動と、あるダンサーの清々しい言葉

踊りが、「言葉」として納得できることなど、そうはない。 よく、ダンサーや俳優が自己の芸術論なんか語っていますね。でも、その人達の作品を見ると 「あの……ご立派なことおっしゃってますが……それ、舞台で出来てんですかホントに!?」 なーんて疑問を持たず…

『ずっとあなたを愛してる』

タイトルがねえ……思いっきり、「ふた昔前のトレンディドラマ」みたいで、「ああつまらなそう」と思われちゃいそうだが、さにあらず。 クリスティン・スコット・トーマス主演の映画『ずっとあなたを愛してる』(2008 仏・独)が素晴らしかった。胸を打たれた…

 ロメール特集『冬物語』『恋の秋』

冷たい雨の日。台風が来てるんだそうだ。帰ってもらいなさい母さん。 何するものぞと高田馬場・早稲田松竹へ。エリック・ロメールの特集を楽しみにしていたのだ。怠惰に負けるもんかと昼過ぎに到着。もー雨だしロメールだしガラガラかと思いきや、な、なんと…

 そして映画『未来の食卓』のこと

ゆうゆう 2009年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2009/09/01メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 「笑顔になると、顔の筋肉が7つくらい動くんですって。逆に、不満そうな顔をしたとき、いくつ顔の筋肉が動く…

「分かっちゃいるけどやめられない」〜クヒオ大佐のこと

昨日映画の感想でちょっと書きましたが、「クヒオ大佐」のことを書きとめておきたい。10月に堺雅人、松雪泰子主演で公開される映画なんだが、なによりもモデルになっている「その人」自体が、圧倒的にユニークなのだ。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「プリンス・ジョ…

 最近の映画メモから

『正義のゆくえ』〜「マツゲ御三家」に悩む 主演はハリソン・フォード、移民局の心優しき捜査官を演じる。 レイ・リオッタが職権乱用して女をわがものにするイヤラシー男を演じている。もう自家薬籠中。どうでもいいけど、この人の「目」が私は印象的でねえ……

『火の鳥』の女たち (市川崑 1978)

最近、ボケが進行している。 ひどいなんてもんじゃない。 先日なぞ、「週刊文春」の椎名誠さんのエッセイ「風まかせ赤テント」を、小林信彦さんの「本音を申せば」だと信じ切って読み通してしまったのだ! どうしてそう思い込んでしまったのか……自分でも分か…

時代劇役者・カウボーイ役者

先日、ビデオで『出逢い』(1979)ってアメリカ映画を観てたんですね。 監督がシドニー・ポラック。あ、そういえばちょうど亡くなられて1年ぐらいだ(そのときの日記→こちら)。 主演がロバート・レッドフォード、そしてジェーン・フォンダ。 落ちぶれたロデ…

ザック・エフロンに感じるJ・スチュアート的資質

昨日に引き続き、『17 アゲイン』のザック・エフロンのことを。いや、彼から思った、とある男優群のことを今日は書いてみたい。 ちょっと後述なんていって忘れてましたが、私はこの作品のエフロンを観ていて、 「女にいじられてサマになる人だなあ、不思議な…

『17 アゲイン』&『60歳のラブレター』

『17 アゲイン』(セブンティーン・アゲイン、原題も『17 again』) 『ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロン主演作。これがね、いーーーーーーんですよ。久々に、シンプルに笑える一作。その笑いに、ほどよい「品」が漂っている。その「品」が、…

最近の映画メモから

うまれてはじめて試写室で「最低!」と声に出して叫んでしまいました(本当)。 あはは、まだこんなパッションが私の中に残っていたとは。ハタ迷惑だねえ……でも、こらえきれなかったのだからしょうがない。『ウルトラミラクルラブストーリー』という映画の話…

ダメだ。冷静になれない。 最近映画を観るたび、どーーーーーーーーーしても 「ええっ……! こっ……これがあの『グラン・トリノ』と『チェンジリング』よりも結果的に評価されたなんてっ……!?」 という思いに駆られて仕方ない。比較してしまう。いや、それだけ…

『マンマ・ミーア!』私的構想

もう誰かが書いてしまってるかもだが、思いついてしまったので、書く。 映画の『マンマ・ミーア!』。 舞台のほうではなく、メリル・ストリープ主演のあれです。 「皇后さまもご覧になった!」で話題のあの映画。 (疎いもので全然知らなかったが、随分と舞…