6/8公開『世界が食べられなくなる日』

 遺伝子組み換え作物、そして原子力の問題を追ったフランスのドキュメント。食をテーマにしていることもあり、試写を拝見させて頂きました。

 多くの覚えておくべき知識を与えてくれた映画でしたが、一方で非常に啓蒙を目的とした真面目な、悪くいえば批判を目的とした部分のある作りなので、別サイドからの検証を自分なりにしなければ「イコール知識」としてはいけないと思わされた映画ではあったんです、

 が。

 遺伝子組み換え作物は、やっぱりかなり、問題のある状態だなあ……と。
 とにかく、小さなお子さんのいるご両親は、我々が子供だった時代よりさらに様々な食物知識をもってほしいと、切に願います。あとで原因を特定できない、特定しにくい「疑わしき食べもの」が実に多い時代になってしまっている。もちろん、後で原因を特定できたからといって「済む」わけじゃないのだけれど。

 こういう話は敬遠されがちだし、こういうことを言いだすと「引かれる」のは百も承知。ただ、食のことに携わっていきたいと願う身としては、勉強しておきたいと思うのです。

 私と繋がってくれている方が、「いいメシ・うまい酒」が大好きな方が多いと思う。良心的に農業に従事し、食品を作り、酒を造っている人達を、応援してあげてほしい。都会に住んでいるならば、それらを使っている飲食店を、贔屓のひとつに加えてあげて下さいよ。たのんます。
 以下は、自分用の映画メモ。

遺伝子組み換え作物を食べ続けたら? ラット編>

・企業側(モンサント社)が安全と主張するのは、
「ラットに3か月与えても問題なかった」というデータを根拠としていること。
・それに疑問を持ったカーン大学のイセラーニ教授さん、
「ラット200匹、2年間(ラットの平均寿命)の遺伝子組み換え作物による投餌」という研究を行ってみた。
・結果は、4か月目でラットに死亡例、13か月でメスの最高3割に乳がん、オスに心臓疾患等。21か月でオスに腫瘍多発、メスの8割に乳腺腫瘍。
・シャレならん。

<なんでそんなことに? 遺伝子組み換えって?>
・この映画で取り上げたのはトウモロコシ。
・除草剤に強い耐性を持つよう遺伝子操作がされている。
・つまり農薬をガンガン使っても枯れない。ゆえに栽培が楽。収穫も大。
・この農薬(除草剤)を売ってるのと、遺伝子組み換えコーンを売ってるのは同じ会社。
・大量に除草剤を使うことで、農業従事者の健康被害アメリカ・フランスはじめ各国で増加。発がん性が指摘されている。
・この大豆やコーン、輸送する過程でも防腐剤を使用。
・この散布に関わる海運作業員の健康被害も多々報告されている。

<日本は?>
・食品には表示義務があるが、飼料にはない。
・加工食品(冷凍食品とか)には、条件付きで表示義務がある。
・その条件:原材料の重量に対して5%以上遺伝子組み換えが使用されている場合。
・日本の輸入トウモロコシの9割はアメリカ産、その約9割が遺伝子組み換え。
・これらは家畜飼料、コーンスターチなどの原料になっている。
・輸入大豆も7割がアメリカ産、その9割強が遺伝子組み換え。
・基本的に遺伝子組み換え作物を原料に使っているかどうかは、表示義務はない。してあるものは企業側がニーズに応えた結果。