妄想キャスティング・三月大歌舞伎
先日(19日)歌舞伎座に行ったら、3月4月の演目が発表になっていたんですね。ただし、「演目」だけ。そう、キャスティングはまだ。難航してるなー。20日には発表できそう、なんて声も聞こえてたんですけどね。
なんと3月4月は異例の3部制! うーーーーーーーーーーーーーーん……言葉は悪いが、稼がはりますなぁ、松竹はん(笑)。最後にガッポリ儲けてやろうじゃないの、という魂胆がみえみえ。しかしまあ分かりやすいのは嫌いじゃない。結構3月、渋い番組なんですよ(歌舞伎で演目構成のこと、番組といいます)。
大学時代、歌舞伎研究会なんかにいたんですね、私。その頃からのつきあいで、今は古典芸能の世界にいる友人Tと久しぶりにこの議題で盛り上がってしまった。勝手なキャスティング予想、チラシを見ながら「この役は誰々に違いない!」「あの方にやってほしい!」なーんて身勝手な妄想のひととき。
実際の役が発表になる前に、ちょっと勝手な予想の結果をここに貼っておきたい。最近まるっきり歌舞伎ブログだな。
【御名残三月大歌舞伎・第2部】
1:菅原伝授手習鑑『加茂堤』
2:『楼門五三桐』
3:『女暫』
という構成。
この第一部に関しての興味は、ジャスト・ワンポイント。それは、
「どこまで『女暫』の座組を豪華にできるか!?」
ということだけ。この手の演目の「いのち」は、そこだ。
主役は確実に坂東玉三郎(多分ね。しかしあの驚愕の市村萬次郎という配役には驚かされたが……)。
玉三郎は正真正銘、歌舞伎界のトップ女形だ。けれど、このひとが主役の場合、彼より年長者やベテランを脇に揃えるのは、歌舞伎界では相当大変なことらしいんですね。
でもねえ。団十郎、菊五郎、吉右衛門、幸四郎、といったあたりが脇を固めて頂かないと、この演目の魅力は半減する。玉三郎の芸がよければそれでいいという演目じゃないんだ。座頭(ざがしら。トップのこと)クラスが「ほぼ何もせずに座ってるだけ」、そういう贅沢が、この手の歌舞伎のキモなのだ。
以前の玉三郎版は脇役の殆どが年少者だった。もちろん皆一生懸命なんだけど、残念ながら玉三郎の大きさに全部呑まれてしまってるような出来だった。
「さよなら歌舞伎座イブ公演」、どこま配役を豪華にできるか。
【第2部】
1:菅原伝授手習鑑『筆法伝授』
2:『弁天娘女男白浪』
これで弁天小僧、尾上菊五郎が「一世一代」にしてしまうような気も。友人Tは『筆法伝授』の園生の前を誰がやるのか非常に気になっていた。ああ……2002年だったかのときは、中村雀右衛門がこの役をやっていたのだった(涙)。今回……もしかして坂田藤十郎だったら豪華だな。実際のところは……中村時蔵、福助がかたいところか。
【第3部】
1: 菅原伝授手習鑑『道明寺』
2: 長唄『石橋』
友人Tは力説する。
「玉さん、ひょっとして覚寿じゃないかな」
おっ、と意表を突かれたが……うーん……あながちないとも思えなくなってきた。覚寿というのは歌舞伎の「三婆」のひとつ、といわれる女形老け役の大役のひとつ。
当然のごとく「菅丞相=仁左衛門」「苅屋姫=玉三郎」「覚寿=芝翫」と思い込んでいたけどね。しかしもし覚寿を玉三郎がやった場合、「苅屋姫=孝太郎」になってしまうんだろうな。うーーーん……じっ、地味だなあ。
これ、十三代目仁左衛門と守田勘弥(玉三郎の芸養父)の追善なんですね。なのでまわりはすべて松嶋屋が固めるだろう。三津五郎も出るのかな。
『石橋』、これがまったく読めない。皆目見当がつかないが……これがもし中村富十郎だったら、観たい。無理かなあ。
四月は明日に。
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