14日の歌舞伎座

 マガジンハウスに抜けるほうの道、そこのとある死角から撮影しました。この日で表一枚残すのみ。今はもう、すべてなくなったことだろう。完全に、ついえてしまったなあ。


 写真を撮っていたら、工事の人が思いがけないところからフッと現れた。
「何してるんですか」
「あ、あの……歌舞伎が、好きだったもので」
「ああ……」
 そういって、とがめるでもなくほうってくれた。