テレビの職人さん

映画『麦秋』より

なんですか文字放送のテロップ、っていうんでしょうかね。スーパーインポーズ。普通のテレビ放送を即座に打ち込んで、字幕をつける職業の方々。先日テレビでその模様を映していたんですが……いやーすごかった。速い速い、埼京線みたいに速い。
 なんでもこの世界、えらい人材不足なんだそう。各社の引き抜き合戦たるや、熾烈を極めているんだそうです。番組中に紹介される方々も、なんと覆面をしての登場! ヘッドハンティングを回避するために、社的に顔撮がNGなんだとか。ふへぇ〜。
 私なんかが言うのはおこがましいけど、「話し言葉」の打ち込みって、むっずかしいですよー。仕事柄、対談の文字起こし(録音しておいたものを、あとで文字データにすること)をすることも多いんですが、慣れるまで大変だったもの。
会話って、文字にすると「意味のない言葉」が多いんですね。聞いているときは整合性を感じられたものが、文章にすると意味がまったく通じなかったりする。その辺をうまくコントロールしながら、無駄を取りつつ、取りすぎず。それを瞬時にやっていくんだから、凄い。
小津安二郎、昭和26年の名作『麦秋』で、原節子演じたOLの職業は「タイピスト」だった。ワープロ普及以来、タイピングの仕事は絶滅したかと思ってたけれど……こんな形でタイプ・スキルが重用されているとは。世の中どう動くか分かりません。


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