「actuer」+「車夫? 車婦?」

こういうポーズさせても日本一

 「江守徹」って芸名だったんですね、いやー知らなかった。フランスの大劇作家にしてコメディ・フランセーズの象徴、「モリエール」をもじってつけたんだそうです。ふへぇ……こーんな「超・大物」を芸名に拝借しちゃうそのセンスが、凄い。デビュー前からして、ただものではない。だって相当な自信がなきゃできないでしょう、ちょっとでもスキあらば「名前負け」とからかわれること必至だもの。おこがましいのを承知の上でフザけてみるが、私がもしも「紀貫之男」だの「小林一茶夫」といったペンネームだったらどうだろう。ハイ、冗談です。しかしまあ才気煥発、野心あふれる若き日の江守徹が目に浮かぶようだ。
 現在発売中のキネマ旬報別冊「actuer」にて知りました。私はいつものとおり長塚圭史さんのお手伝い、ゲストは松雪泰子さん。彼女一流の演技論が展開されています、どうぞ読んでみてください。ちょっと最近のことなども。
○付記

あ、今回の「アクチュール」には、ドラマ「ちりとてちん」DVDボックス発売に寄せて、俳優・青木崇高のインタビューも載っている。これは私がやったんじゃないですが、よかったら読んでみてください。「なんでいきなりお前が宣伝?」と思われるでしょうが……うーん……俳優さんやる前から彼の友人なんですね、私。ひとりの友達として、先のドラマはいい仕事だなあと思ったので、これは個人的におすすめしたくて。
 なんだか友達のことを褒めたり、作品のことを書いたりというのはドーにも照れくさいというか、やりにくいものです。それで「ちりとてちん」放映中もこのブログで触れられずにいたのだ。彼はとてもピュアなやつです。ピュアなコメントがたっぷり載ってますので、どうぞ読んでみて。皆さん応援してやってくださいね。


○さらに江守徹
このかた、昔「台詞は長いほど楽しい」という発言をされているんですね。壮語、と受け取られかねない言葉だが、江守徹がいうと納得せざるをえないというか、「ごもっとも」「そうでしょうねえ」という気に自然させられる。「朗々」という言葉が演劇界で一番嫌味なく似合う人だ。ひょっとして世間的には「再春館製薬」の声の人、というイメージが強いのかもしれないけれど。


○行状記録

午後から浅草で鰻屋さんの取材。まさに初夏、という暑い日だった。相も変わらず外国の観光客の方が多い。人力車がたくさん雷門のあたりで客引きをしている。


 よく見れば、車夫さんといっても様々なタイプ・スタイルがあるようだ。いかにも車夫、というような坊主頭で素朴な風情の人たちもいれば、失礼ながら、そのままホストの格好をされても似合いそうな茶髪・長髪・ピアスの車夫までいる。これがやはり、女の子に声をかけるのがとても上手なのだ。
「観光? どこから? 浅草は広いから、効果的に回るならこんなコースがいいですよ……」
 サラサラと水のごとく文句が流れる。彼の髪は強い日差しに輝き、そこいらの外人よりも明るく、金色だった。 
 なんだか面白くなって、待ち合わせを装い、しばし観察してしまった。やはり坊主頭たちは、勧誘が余りお上手でない。


「たまには、いかがでしょうか」
松坂大輔似の坊主頭さんが、恥ずかしそうに老夫婦に声をかける。これがまた小さな声で、中学生の初告白のようだった。
「私たち、浅草育ちなんですよ」
ホホホ、と笑う奥さんに、彼は最敬礼で謝っていた。ご夫婦を見送る彼の背中が、せつない。
 その脇をさっきのホストさんが、声をかけていた女の子たちを乗せて車を引いていく。
 そうそう、女の車引きもいて驚いてしまった。車夫ではなく車婦、と書くのだろうか。
















○お知らせ
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