「ワダエミの衣装世界」

ナマ言ってすみません

 あと3日しかやってない展覧会の紹介もいかがなものかと思うが、とにもかくにも行ってきました。場所は東京・南青山の梅窓院・祖師堂ホールというところ。お寺の一部のような聞こえですが普通にギャラリーでした。
 ワダエミの衣装は、「衣装それ自体」としては「この映画の中の○○という役」という強い存在感を持って
迫りくるものだとは思う。考えも工夫も独創性もあるものだ。しかし、俳優を覆う「コスチューム」としての配慮に欠けるきらいがあるように思えるのだ。かつてグレース・ケリーオードリー・ヘップバーンエリザベス・テイラーのコスチュームを担当したハリウッド黄金時代の名衣装デザイナー、イディス・ヘッドは「その俳優がもっとも美しく見えるような衣装」を創り上げることを第一に専心したという。リズの極端な胴の短さを隠すにはこのデザイン、オードリーのよく言えばスレンダー、悪く言えばペチャパイ(死語)なスタイルを美しくみせるにはサブリナ・パンツのようなデザインを、グレース・ケリーのあまりにも美しい二の腕をより目立たせるためにシンプルなドレスにロングの手袋を……という
俳優をより際立たせるような配慮がほとんど感じられないことが一番印象的だった。
 それは、その衣装に負けないだけの存在感を打ち出せるような役者の場合ある意味有効なやり方だとは思うが、みんながみんな白石加代子のような役者では舞台や映画は成り立たない。(一人舞台なら別ね)
 舞台「浪人街」の松たか子衣装などその悪い例。ただでさえ姿勢が悪く、着物を着たときの「立ち姿」に無頓着な(新派的世界を代表するような絵姿のことね)肩幅の広い松たか子に、それを強調するかのような白黒の太い縞を着せちゃうところから、私はもうダメだ。ついていけない。そしてそれを「私にのらない」と拒否できない役者も疑ってしまう。はい、生意気です。
 しかし私は「衣装あって役者あり」では絶対なく、「役者あって衣装あり」だとしか思えないのだ。ゆえに、私が一番「見事!」と思ったのは「マクベス」の貴族たちと難民の衣装であった。台本上では「貴族A、難民B」としかふられていないような役こそ、私にはワダエミ芸術がもっとも輝くデザインと映ってしまったのだなあ。


●今日の一食
渋谷西武・「ヴィノスやまざき

ここはワインショップなんだが
「今月のオススメ」として
10本ぐらいをワインバーのように頂ける重宝な店だ。
テイスティングなら(結構な量!)¥200〜、グラスワイン(たっぷり!)
だとせいぜい¥500〜というリーズナブル度も嬉しい。
テイスティングしたワインは10%びきで買えるってのがさらに嬉しい。
日ごろ酒屋では買えないような独自輸入のワインを楽しみながら
おつまみも鴨のガランティーヌ(写真・¥850)やパテ(¥500)をつまみつつ
気取らない店員さんにワインの説明を受けるのも一興。
あ、年末まではごった返すようです。


●お知らせ
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