映画「ナイロビの蜂」

原題は「The constant gardener」

もうすぐ公開!
ナイロビの蜂(2005 英)http://www.nairobi.jp/
監督:フェルナンド・メイレレス(『シティ・オブ・ゴッド』)
出演:レイフ・ファインズレイチェル・ワイズ


アフリカ、ケニアの大地を舞台に、
「大手製薬会社と政府の癒着」というテーマを軸にして繰り広げられるドラマ。
その全貌を暴こうとする妻(レイチェル・ワイズ)と夫が主人公で、
彼らの「夫婦愛の物語!」と宣伝文句には謳(うた)われていたのだけど、
ちょっとこの表現が「ミソ」ですよ。ありきたりな夫婦愛想像してると足元すくわれます。


製薬会社の不正を正そうと市民活動に参加してる妻がやり過ぎたため暗殺、
夫がその無念を晴らそうとすればするほど泥沼に……というのが乱暴なあらすじ。
いやー、アカデミー助演女優賞も獲得したR・ワイズの演技、
さすがに熱演してますが私はノレなかった! 
「正義のためには手段を選ばない」という考え方の未熟さ、これもう全編「シャカリキ」。
走りっぱなし。企業秘密を手に入れるためには
セックスも厭(いと)わないというやり方とか、
「自分がボロボロになっても弱者に尽くす」という考え方が
余りにも幼稚(さすがに監督もそれを賛美はしてないけれど)。
こんな奥さんじゃダンナ大変、かわいそうとか思ってました。しかし!


帰り道フト「ああ、こう考えればいいのか」とひらめきましたねハクオー。
こんな感じ。「信念に生きる夫が、政治活動に燃える余り暗殺される。
家を守っていた妻が夫の無念を晴らさんと、遺志を継いで立ち上がる。
活動するうちに義憤はますます燃え、亡き夫の理想の素晴らしさを知り
『なんて立派だったのあなた!』と死後二人は再び心を寄せ合う……」
こういう風に書くと「ああ、ありがちな話ね」と思われませんか。
これで「男」と「女」が入れ替わったのがこの映画。
旦那さんはエリート外交官で趣味は庭いじり。アットホーム・パパ。
奥さんは市民活動家でちょっと過激な平和主義者(この言語矛盾、大事ですよ)。
奥さん活動にのめりこむうち、「ガーデニング好きの亭主を巻き込みたくない」という
理由で活動の内容を一切教えない。陰謀を暴かんとしてる製薬会社の製品
知らずに使っている夫に「なんでこの社のモンがうちにあるんじゃーぁッ!」と
八つ当たり。キー。そんな女房に旦那さん、
「干渉はしないけど、体だけは大事にしてね」なーんてホントに劇中言っちゃうんだ。
まさに「これからの夫婦愛のひとつのかたち」です。
そう思ってみるとこの映画、「正統派メロドラマ」なんだと思う。
最初観たときは、「ケニア政府の腐敗を描くでもなく、企業の癒着を暴くでもなく、
ロマンスも半端で、いったいなんなんだーッ!!」と思ったが、
別にどのエッセンスも監督はたいして追及する気はなかったわけね。
別に社会派じゃないわけね。
オーライ、そう思えば私はあのラストもまったくもって納得できる。
これは「夫唱婦随」ならぬ「婦唱夫随」の映画です。


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●今日の一食
中野本町「四国屋」のきざみうどん
(中野区本町4-36-3 電話 03-3380-4598)



うまかった。
もう余計な言葉いらないですね、幸せでした。
久々に「あれもこれも全部たべたいよう」と困っちゃう店。
コシがあるうどん、というのはこういうことをいうのでしょうね。
もちもちうどんと究極の対を成すシコシコの「うどん」のうまみ、
ダシのやさしさ、あぶらげの美味さ、カンペキ。
ビールがエビスでジョッキが冷凍庫に入ってるのもカンペキ。
酒類についてくるお漬物もこれまた美味い。ああ、カンペキ。
今日も明日も明後日も通いたい店。