神保町・さぼうるのナポリタン

カウンターを入れて15日目なんですが、
それで4000人というのも結構いいほうなんじゃないでしょうか。
はい、ちょっと自慢。 さて以前はその日ごとに
「今日の一食」として記録していましたが、
今回から毎週土曜日に、食べ物のことを書いてみようと思います。
グルメ漫遊録、というわけではないのでガイドっぽいものじゃないです。
それでは、よろしければ読んでください。


「喫茶店の砂糖」 ――神保町・さぼうるのナポリタン
東京・神保町の駅すぐ近くにある、なんとも懐かしい雰囲気の喫茶店が「さぼうる」。
小さい頃に親が連れていってくれた喫茶店そのままの造りが、いまだに残っている。
フレンチ・ドレッシングに千切りキャベツ、トマトと胡瓜のスライスがのった
サラダに山盛りのスパゲティ。たっぷりのケチャップとソーセージに
玉ねぎが絡み合うナポリタンを迷わずオーダー。
学生アルバイトのそっけなさもどこか懐かしく。セットドリンクはアイスミルクを頼んだ。
はじめからシロップだろうか甘味がついているミルク。懐かしい甘さだった。


そんな甘味が舌に残り、いつしか私は「喫茶店の砂糖」のことを思い出していた。
小さかった頃、私はたまに母親に連れられていく喫茶店
勝手に「砂糖」でランク分けしていた。
白糖のサラサラは普通の店。茶色っぽいクラッシュアイスのような塊りで、
コルクの蓋のいれものに入った砂糖なら高級店。根拠はないが、私は珍しいその茶色い
砂糖をかじるのが大好きだった。母親が見てない隙を狙っては、砂糖を取り出し
かじっていた。ただの砂糖の味だというのに、どうしてあんなにおいしく思えたのだろう。
よく、茶色の砂糖のわきには、星座が一面に描かれた球形の星占いボックスがあった。
50円玉を入れると星占いが書いた紙が玉になって出てくるのだ。
私はそれがやりたくてやりたくて仕方がなく、
親に頼んで頼んでやらせてもらったことが一度だけある。
しかしそこには愛だの恋だのと、よく意味の分からないことばかり書いてあった。
私は失望しながらも、あれだけ懇願しただけに「つまんないの」と吐き捨てることは
出来なかった。そんな居心地の悪い気持ちを、ふと思い出した。
今の私は、あの星占いに書いてあったようなことを分かるのだろうか。
さぼうるを出るとき、そんなことをなんとなく考えた。
古めかしい扉を開ければ、ビルのガラスにメトロの看板。
そんな感慨も、すぐに消えていった。


茶店「さぼうる」
東京都千代田区神田神保町1-11 
03-3291-8404
09:00〜23:00(L.O.22:20) 日休


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