今ひとたびの「ちあきなおみ」

レコード大賞受賞時(S47年)

お久しぶりです白央篤司です。
いやー3週間ほど休んでしまいましたブログ。ちょっと体調を崩しまして、
きっかり療養させていただきました。こんなヘボブログでも読者さんはいたようで
チラホラお便り頂きありがとうございました。って、宣言では月曜再スタートだったんですけど、
今日はちょっとプレオープン。昨日オンエアされていた特番をビデオで見直してあまりに感激したものだから。
ちょっと溜まっていた「書きたい!欲」、消化させてください。


■■歌伝説 ちあきなおみの世界■■ (2006年6月15日・NHK BS2にて放映)

最初のオンエアから数えて、なんと5回目の再放送だそうです。
うーん…これってまさしく「快挙」じゃなかろうか。活動休止して13年にもなる歌手の番組が、
地上波一回の放送を含めここまで需要があるとは。ある意味もうひばりを超えている。
根強いファンの多さに感嘆すると共に、私はこの番組の、「質」の高さに改めて感心しちゃいましたね。
それは歌手・ちあきなおみの歌唱力の高さということとはまた別に、
「出来る限りこの歌手の良さ・すごさを伝え尽くしたい」という製作者たちの
モチベーションのなせるわざなんだと思った。


彼女が残した歌唱を多角的に紹介し、それもしっかりフルコーラスで入れてくる。
いたずらに編集したり、メドレーのように詰め込んだりしない。じっくりと曲を聴けるように
品よく、それでいてボリュームたっぷりに構成されている。多分、初めて彼女の歌を聴く人も、
何度も観ているファンでも満足のいくような作りになっていたと思う。
民放における「○回忌記念・蔵出し映像満載! 美空ひばり大特集!!」のような
余計な演出・いらないコメンテーターでテンコ盛りの番組などとは一線を画すものだった。


私は写真や絵画を観るとき、一番その作品に惹かれるポイントは、
どれだけ作者がその被写体に対して「心動かされているか」どうか、だ。
何て美しいんだ! 何て悲しいんだ! 何て酷いんだ!……その衝動はなんでもいい。
思わず描かずにおれなかった、作家を突き動かした心の思いやエナジーを存分に感じられる作品に、
私は圧倒的に感動する。そしてそのパワーを、ただぶつけただけでなく
「作品」として昇華できているものが「一流」のものだと思っている。
この番組はまさに、そういう出来だった。彼女の歌に惚れて愛して素晴らしいと思った人間が、
妄信的に彼女の良さを押し付けるのではなく、「歌手・ちあきなおみのエッセンス」を
ひとつの番組としてに絶妙に仕上げた、「作品」なのだ。


私は観ている最中、作り手である人々と、その裏にいる多くのちあきファン達の
「声にならないアイラブユー」が聞こえてくるような、
そんな不思議な気持ちになった。


●お知らせ

ブログランキングに登録。

1日1クリック↓プリーズ!

http://blog.with2.net/link.php?198815