DVD『ニュースの天才』・必見の特典映像

後半グングンいい演技に

今日もプレ・オープンしちゃいます。
書きたいんですよねー、やっぱり。ずっと書きたくても書けなかったし。
というか、具合が本当に悪いと書くだの何だの前に、何の気力もわかないことが
実感できました。病院で天井を見つめるだけで過ぎていく時間。
それがなんの空しさも悲しさもないのです。感情がゼロのように無。
たまに「痛い」と思って苦しくなって、痛み止めが点滴されればまた無な状態に。
それが過ぎてから、悲しみや閉塞感がやってきました。
などと暗い話題になってしまいますね。やめやめ。
病気のことはまたまとめて、面白く料理してエッセイにするかもしれません。
今日は3年も前の映画の話です。


■■映画『ニュースの天才』その特典映像は必見!
映画DVDの特典映像ってのは見逃せませんね、その充実っぷりにはビックリしてしまう。
以前も『危険な情事』『恐怖のメロディ』などのメイキングの面白さについては触れてきたけど、
今回の特典映像は、いやー……笑わせていただきました。たった13分にも満たない
ドキュメント・フィルムなんですが、もう映画自体の面白さをも凌駕してるといって過言じゃないです。


■映画の簡単なあらすじ
3年前結構話題になった映画なので知ってる人も多いと思う。
一流オピニオン誌の記者が、面白い記事を書きたいがために事件を捏造。
それがとてつもなく面白い内容で、しかも捏造露呈を防ぐための工作も(ここがどーにも雑誌作りを
昔していた自分としては納得がいかないのだが)「超完璧」だったため、
同僚にも世間からも糾弾されず、捏造記事を次から次へと作っちゃう……というストーリー。実話だそうです。


■「分かる人には分かるでしょ」的構成
映画自体は「なぜ彼が捏造に走ったのか」「ウソ記事づくりを止められなくなってしまった過程・心情」を
ほっとんど描かないつくりで、私は全くノレなかった。そして何よりもしつこいぐらい
彼の作ってる雑誌が「一流誌」であることを強調するんだが、
一流誌の校閲・校正ってそんなにバカなのかなあ。そこを潜り抜ける工作をしっかり書いてくれないから、
「なんて頭のいい記者なんでしょう、悪人だけど一流の悪人だなあ」と感心することもできない。
なんでウソを塗り固めることになったのかも分からないから、同情もできない。
ラストまで半端なスタンスでしか主人公が浮かび上がってこないんだよね。
主人公の心情なんて、すべて主演のヘイデン・クリステンセンの表情演技だけで表そうとしちゃう始末。
やる気あんのか脚本家! はい、3年前の映画をそこまで貶さなくてもいーんですけどね。


■13分の現実が90分の虚構を凌駕
まあそんな憤懣も、この特典ドキュメントですーっかり晴れちゃいました。
いやあ最初からこれを見せるために本編つまらなくしたんじゃないだろうか。
CBSドキュメント」みたいな作りでキャスターが当時の関係者、そして主人公であるウソ記者に
インタビューを重ねていくのだけれど……やはり事実は小説を超えられませんね。
この記者本人が出てきてしゃべるだけで「ああ、やりそうだなこいつ」「ウソ重ねるの巧そうだなあ!」と
かーんたんに納得できちゃう。言ってるうちに自分でもなんだか分からなくなっちゃう、
ウソと真実がごっちゃになってしまう、ある種の人間特有の感じが、よーくわかるんだなこれが。
多分有吉佐和子描く「ふるあめりかに袖はぬらさじ」のお園もこんな人だったんだろう。
キャスターの「みなさんに謝りたいと今思いますか?」というツッコミに対しての弁解、
そしてまたツッコミ、そして更なるいい訳の応酬は必見!
ある意味エンターテイメント精神ともいえる、彼の「典型的な詐欺師感性」が如実に現れてます。
こういうところを描けてたら本編ももっと面白くなったのに。
記者の彼は出版社をクビになったあと5年間セラピーに通い、
得意の創作能力を活かして文筆業をはじめるのだが
その処女作のタイトルが「でっちあげ屋」というから念が入ってるというか……悪い冗談というか……。
司法試験にも受かり現在は弁護士だそうです。目下の悩みは
「自分に依頼が来るかどうか」……人生そのものが冗談なのだろう。


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