NHK「純情きらり」にみる4人の女優

屋号・音羽屋

■■NHK純情きらり」にみる4人の女優
すいませんねってなぐらい今更の話題ですが、
NHK朝ドラ「純情きらり」、面白いですね!
(しかしこのタイトルのだけはどーにかならんのか……)。
主演の宮崎あおいの楚々とした雰囲気、この「ブッてない感じ」が新鮮、いいなあ。
無理せずすんなりと「役にノレてる」感じ、正統派朝ドラ新人女優という感じで懐かしい。
古村比呂(「チョッちゃん」という黒柳朝さんの人生を描いた朝ドラのヒロイン。現・布施博夫人だ)が
出てきたときもこんな感じだった。そう、「手垢がついてない」感じがいいのだと思う。
女優になるとかならないとかじゃなく、巡って来た運を肩肘張らず楽しんでる感じ。
そういういい意味での「素人っぽさ」って、この番組に限り必要なものだと思う。


●妖気漂う寺島しのぶ
さてここまでが前置き。私が書きたいのは「寺島しのぶ」、これですね。
なんってったって「妖気」が漂ってるから凄い。宮崎あおいが初物としての旬なら、
こちらはまさに熟れどきの旬。銘仙っていうんでしょうか、
派手な色合いに大柄の模様が描かれた着物を身にまとい、
ひっつめた髪型の白いあの顔がテレビに映るたび私は……「ああ、今この女優には何かが憑いている!」
とまで感じてしまう。またこれも宮崎あおいとは別の意味でノッてるんだと思う。
女優としてのひとつの「さかり」じゃないだろうか。それは「盛る」という意味でもあり、
動物が「さかる」かのような、不思議にエロティックで、因業なニュアンスまで感じられてきちゃうんだなあ。
西島秀俊が出て行ったときの、悲しみと無念が入り混じったような情感など、
無言なのに感情の波がうねるようで、20年前の東映女性映画(『夜汽車』とか『序の舞』とかね)みたいで、
いやもースゴかった。必見です。ただ、起きしな不意にこの方を見てしまうと結構なインパクトで、
私いつも「ヒイっ!」とか言っちゃいますけどね(笑)。


●女優と役者の違い
ごめんなさい長くなるがもうひとつ書き留めたいことが。
重要な役で「戸田恵子」が出ていて相変わらず達者な演技を披露しているんだけど、
寺島しのぶ戸田恵子を並べてみると「女優と役者の違い」を感じてしまう。
演技とか技術的なことでいったら、間違いなく戸田恵子のほうが「役者」としては上だと思う。
しかしドラマティックな情感のようなものを醸し出す寺島は、間違いなく「女優」として戸田の上をいっている。
宮崎あおいもそうなんだけど、主演者やメインを張る人間はテクニックよりも、この情感こそがいのちなんだと思う。
それはオーラとかカリスマとか存在感とかニュアンスといった、どこか抽象的な成分なんだろう。
(これがもっとも強かった女優が、原節子だ)


室井滋の不幸
最後に! 人気者・室井滋が定番「耳かくし」ヘアで毎回賑々しく登場しているが、
この人見るたび「もったいないなあ」と思ってしまう。やっぱりこの方、こういう群像劇としての芝居はうまくない。
どーしても役よりも室井滋という個性の面白さが浮いちゃうんだよね。
その意味で「やっぱり猫が好き」が依然最大の当たり役だ。
「アイ・ラブ・ルーシー」(リアルタイムで見たわけじゃないけど)のような
彼女をメインに据えたシチュエーション・コメディを絶対作るべきだと思うんだけどな。
はい、生意気タップリで申し訳ありませんでしたー。


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注:限りなくつまらない記録・いつもの
くっだならい文章が好きな人は絶対飛ばしてね


連日長野の放火高校生のニュースが。
いい加減、誰か「プロファイリングごっこ」を止めようという
人はいないんだろうか。今日もなんとかという医者が
彼の文集を読んで「紛れもなく『いい子症候群』ですね」と語っていた。
ふざけちゃあいけない。いい子必死でやっててもちゃんと育つ子の方が多いんだ。
どんな理由があったって社会に責任なんてない。この火をつけた子が悪いんだ。
自分の心に病んだものが生まれたら、そこに向き合って
乗り越えることが一番尊いというスタンスを余りに見失ってると思う。
社会や道徳からこぼれた人なんて「ろくでなし」だというラインをキチッと
社会が作らないと、アウトローもハイソサエティも詰まらないものに
なっちゃうじゃないか。這い上がろうとかやり直そうとか、
もしくはトコトンアウトローを極めようとか思えなくなっちゃうじゃないか。
そのへんのスタンスを曖昧にするから、「落ちこぼれ」もキチンと
「勉強や友達作りに俺って向かないのかなあ」と考え、「じゃあどうしようか」と悩まないし、
「出来るもの・富めるもの」も「本当の学術探求とは」「礼儀作法とは」「社会還元とは」
ということに向き合わないんじゃないだろうか。
アウトローならアウトローで生きるにも覚悟が要る。ハイソサエティも富めるだけじゃなく
ノブリス・オブリージがあるんだ。その辺曖昧にして犯罪者もホリエモン
みんな「現代社会の象徴」とかサイコロジカル・サンプルにしちゃうのってなんだんだー!
はぁ……なんでこんなことマジに考えてるんだろう。ちっともまとまらないし。
やっかましいですねチンピラライターが。あんまり秋田の事件とか
山口の事件とかバカバカしいワイドショーのみせ方が多くて、
ついカッとなっちゃいました。母と弟と妹を死なせた本人も父親も
オーバーじゃなく「この世の地獄」としか言いようがないことだろう。
後追いする必要なんてどこにもない。ああ、クッソ真面目なこと書いてキショー!