カルティエ現代美術財団コレクション展

楽しかったー

■■カルティエ現代美術財団コレクション展
http://mot-art-museum.jp/special/cartier/


まだまだやってると思ってるうちに残り一週間を切ってしまった、
慌てて東京都現代美術館へ。「カルティエ現代美術財団コレクション展」を
観覧してきたが……結論から言います、めっちゃくちゃ楽しかった。面白かった。コーフンした!
私はまったく遊園地というものに興味がないんだけど、ディズニーランドとか大好きな人って
こういったエキサイトを求めて通ってるんじゃなかろうか。


●夢みたいに怖く、不気味に楽しく
作品のひとつひとつに触れるたび、私は子供の頃に想像したり、夢想していたような
夢のお城や不思議な生物、お化けや妖怪、未来の国や世界のどこかにあると伝えられる
財宝やユートピアを夢見るような気持ちを思い出した。
小さい頃に聞いたり読んだりしたおとぎ話や童話、
昔話や子供同士の噂から無限に膨らんだイマジネーションが、すぐ目の前に具現化されてある感じ! 
それはお菓子の家のようにファンタジックなものでもあり、
(ライザ・ルーという人のビーズを使った庭のオブジェとか、
サラ・ジーという人の、なんとも奇天烈なオブジェとか、まさにこれですね)
小さい頃に感じた大人の世界のダークな部分、暗鬱で複雑なセンシティブなイメージが、
そのまま具現化されてるようなものでもあった。
(トニー・アウスラーという人の作品で、大きな球体に目をスライドで投射させ、
何個も転がっている部屋があるのだけど、それはまさに人間の「陽」に対する「陰」の部分、無意識の部分を
思い出させるような不思議な作品だった。ああ、なんとも抽象的な書き方、すいませんまだうまくまとめられない!)


●「遊べる」展覧会
人間って、心の中には誰しもその人しか思い描けない
美しいイメージや不可思議きわまりない想像があるもんだ。
芸術家ってすっごいなあと思うのは、そういうイメージをてらいとか見栄とかゴマカシとか
一切まぜることなく、(そしてここが一番の私にとっての尊敬のポイントだが)
面倒くさがることなく、具現化してしまうところだ。
展示されていた作品の数々は、「ああ、こんな情景が造り手の心にクッキリ見えたんだなあ、
そしてそれを形にしたくて仕方なくなっちゃったんだなあ」と直球で感じられるものだった。
どんな奇妙なオブジェでも、「なんじゃこりゃあ?」というようなヘンなものでも、
「あーこの人狙ってないんだな」ってものに私は感動する。
ストレートに彼らがそれぞれのイメージを面白がってるのが伝わってくる。心に届く。だから私はコーフンした !
彼らが感じてるような芸術的感興って、フツーに生きてると
書き留めるでも形にするでもなく、日々の仕事や家事に追われ忘れて消しちゃうものだもんね。
まず「メシありき」だもんね、人間。(まあそれでいいんだけど)
そこんとこ追求しちゃうのがやっぱ、アーティストです。そういう作品群ににときたま「埋没」する瞬間ってのは
ミョーに心地よい。楽しい。愉快だ。
デニス・オッペンハイムという人の作品なんてもうわっけ分からないけど最高ですよ。
オスマシな感じで作品を楽しむだけが展覧会じゃない。
もう期間がないですが、ゼヒこの展覧会に「遊びに」行ってみてください。


付記:文中で「面倒くさがらずに自分の内的世界のイメージを追及する」みたいなことを
書きましたが、これって私はバレエダンサーとか日本舞踊家猿若吉代を観ていると
一番思うことだ。固い言葉にすると「切磋琢磨」になっちゃうけど、自分の思う最高のダンスを追及するのってのは
芸術活動なんだよねえ。当たり前のことを再確認した展覧会でもありました。

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