森三中・大島の告白から思うこと

がんばれよ。俺も頑張る。なんだそりゃ

この前日の日記、勢いで「なんだかこの頃思っているモヤモヤしたもの」を
なんとか形にしたくて一気に書いちゃったんですが……自分でも小言めいてるなあ、
そして何よりも「エラソーに」と思っちゃって、ちょっと恥ずかしくなってしまった。
名をなり成した人がアーいうこと書くのはいいんです。
(まあだから淡谷先生のカクレミノを借りた結びなんですが……)
ちょっとその反動でネガティブになってて、続きを書く気持ちになれなかった。
でもまあ、いかんですねそんなことでは。はい、前置き終わり。やるか。昨日の結びです。


●イチモンにもならないけれど
結局「はしたない」ということを書きたかったんですわ、私。
「はしたない」というのは抽象的な感覚の中でも、結構な難しいフィーリングだと思う。
「上品」「思いやり」「マナー」「公衆道徳」「品性」「育ち」と、
どれもこれも定義の難しい要素で構成されている感覚だと思うので。
いずれの要素も「でもさあ、人に迷惑掛けなきゃそれでいいんじゃないの?」という
開き直りを持ってこられると、トタンに勢いのなくなっちゃう感覚なんだよね。
「美しい(カワイイ・カッコいい)」「汚い(ブス・ブサイク)」「おいしい」「まずい」
セックスと食欲という二大欲望の根幹を成す価値観が当然のごとく優先され、
「別になくても死にゃあしない」という感覚は後回しにされる。当たり前だ。


そこで「イチモンにもならない」感覚であるところの「はしたない」という感覚。
先日は「食べていかなきゃならないもの」というフレーズについて
冗談めかしたこと書いた私ですが、やっぱり……大事だと思うんですよね、
なんか言わなきゃいけない気がするんですね。今なぜかムショーにものすごく思いっきり。
それが……なんでなんだろう、どうしてなんだろう、その根拠書けなきゃ読み物に出来ないなあ、と思って
筆がパッタリ止まってたんですが、気づきました。理由なんかないのね、要らないんだね。
ダメだからダメだ、そこでいいんだとおもう。


●もうすっかり死語だな、「節度」って
先日夜中のとある番組で、女芸人(下品な言葉だ)が集まっていろんなエピソードを赤裸々に語る、
という内容のものがあった。その中で森三中の大島が、(私は結構この人好きなんだけど)
初体験の一挙一動をリアルに再現するという1コマがあって、私はちょっとした衝撃を受けた。
そのときのパニックやら肉体的な感触やら……ひとつにはまず生々しすぎた。やり過ぎた。
なんと彼女は最後に自分が「カンジダ」という陰部の病気であったことまで披露したのだ。
「初体験は最後に二人で性病科に行くというオチでしたー」というネタ。痛々しかった。
 彼女は彼女なりに、芸人としてそのネタを一生懸命「笑われるもの」にしようと奮闘してるのはよーく分かった。
実際ほんっとうにギリギリのところで「なんとか笑える」水準までは行っていたと思う。
それは彼女のパーソナリティによるものだ。偉い。
 私がはしたない、と感じたのはその周囲の「空気」だ。


女芸人、のまわりにはなぜか女性タレントが並んでいる。
いずれもスタイルがよくてカワイらしい人ばかり。その人たちが大島のネタを見ながら
「えー信じられなーい」「そこまで言う〜〜」といったような表情で笑ったり叫んだり。
そしてそれをオンエアする大人たち……。この番組が突出して俗悪だったというより、結構この空気、
メインストリームになってないか? 普通になってないか? こんな女やそれを笑う男、周囲にいないか?
男達はいまこぞって、かつてオンナが(安っぽく、オンナね。女じゃない)売り物にしていた
「旬の美しさ」「かわいらしさ」「マスコット」という分野を開拓中。そしてそれを周囲の大人も
喜んで愛でて、飽きたらかつての女子アイドル同様消えていく。
女達はシモだろうが格付けだろうが過去の暴露だろうが、お笑いであろうがなかろうが、
受けると思ったらなんでもやる。
 まあ、いーんですよね。「何が悪いの?」何も悪くありません。
 ただ、はしたないんだ。低いんだ。下品なんだ。それ言わなくなったらおしまいなんだよ。
ちゃんと見下げてあげる空気がなくなったらオシマイだ思う。それが大人じゃないか。より優れてることじゃないか。
「自分がそんなこと言えるような立場じゃ」と思っても(私もいっつもそこで止まっちゃうんだが)
軽蔑していいんだ、自分のプリミティブな感性にしたがって。



●あらたなご意見番……誰だ。
みんな物分りのいいオッサンオバサンになってどーする! そう、昨日の淡谷先生じゃないが
こーいう「まあはしたない」という非難こそオバサンに最適な役目だと思う。頑張ってくれ、オバちゃん!
なんかいきなり責任逃避的になってますね(笑)、でも人類で一番強い人種はオバサンですからね。
そーいう方々にもっともっと吼えていただきたい。(私も過分に男おばさん的要素があるが) 
かつてはミヤコ蝶々とか塩月弥栄子とか人生相談のプロがいたもんだが、今そーいう
「ひとことご意見番」「この人に言われたらグウの音も出ない」とかいう
「揺るがない価値観」を持った怖いオバサンがいないよなあ。本当に必要なのか。いや、必要だ。
(多分いまだと「瀬戸内寂聴」と「美輪明宏」(オバ……オジ……?)がその双璧なんだけど、
この人たち元々がアヴァンギャルドでらっしゃるのでね、ちょっと違う感覚だと思う)
 決めた。私は決して聖人君子でもなんでもないけれど、まだ名も売れぬ貧乏ライターだけど、
「はしたない」「バチ当たり」という自分なりの感覚をブレないようにして生きていく。
そして「お前ごときが……」と言われようと書いていく。それしかないのだ。


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