女優ジューン・アリスンの死

安らかに

果てしなく「陽」、というタイプの人間がいる。
ご本人にしてみれば人並みに苦労も悩みもあるだろうが、
ハタ目にはまーったくそんな「陰」の部分を
感じさせず、その人を見てるだけで周りはもう
「ホガラカー」な気分になれる、そんな人が、確かにいる。
アメリカの女優さんではドリス・デイと並んでもうひとり、
8日に亡くなられたジューン・アリスンがそういう人だった。
この人が画面に出てくるだけでパッと、光が差すようで、
嫌味のない「善」の陽気で楽しい部分が感じられる、そんな女優さんだったと思う。
亡くなっちゃった。88歳だから早くはないかもしれないけれど、寂しいですね。


実際の生活でのゴシップ、また演技者としては持ち前の明るさが邪魔して、
ドラマティックな役にはミスキャストになってしまうなど、よく指摘される陰の点も確かにある。
しかし、やはり彼女の死を聞いて思うのは、その「ほほえみ」だ。
ローレン・バコールがあのミステリアスな上目遣いで「ザ・ルック」の称号を貰った女優なら
ジューン・アリスンは間違いなく「ザ・スマイル」の名にふさわしい。
彼女は“キラ星のごとくスターが輝く”名門・MGMの看板スターだったが、
決して歌も踊りも上手くないのに「ザッツ・エンターテインメント」でピックアップされたのは
間違いなくその「笑顔」がエンターテインメントそのものだったからだと思う。
彼女が笑っているだけで、アステアのダンスやジュディ・ガーランドの歌声、ジーン・ケリーのタップと
同じような楽しさやワクワク、映画って素敵だなあ、と思えるようなキラメキがあったからだと思う。
『歌詞と音楽』『グレン・ミラー物語』『若草物語』などなど、素敵な映画をいっぱい遺してくれました。
お疲れ様でした。あなたを忘れません。


●追記
と、ここで「ソフィア・ローレン、71歳でヌードに」というニュースが。ふへぇ……(いろんな意味で)凄いなあ。
ピレリ社というイタリアのタイヤメーカーのカレンダーに、なんとナオミ・ワッツペネロペ・クルス
ルー・ドワイヨン、ヒラリー・スワンクという今をきらめくスター達と並んでの出演というから、またまた凄い。
ちょうどジューン・アリスンとは1世代違う大女優ですが、うーんスッゴイパワー。
エリザベス・テイラーが重病説をささやかれアメリカ勢が寂しい中、
フランスのカトリーヌ・ドヌーヴと並んで、ヨーロッパ勢元気だなあ。
末永く「レジェンド」として君臨していただきたい。


●お知らせ

ブログランキングに登録。

1日1クリック↓プリーズ!

http://blog.with2.net/link.php?198815