女の【対決!】映画あれこれ・基本編

三田佳子シーンだけを楽しむ映画です

私は強い女が好きだ。妄執の女、自我の強い女、
いがみ合う女、闘う女……こういった女たちが
実際に自分の身の回りにいたらたまったもんじゃないが、
強い女たちが活躍する映画を見るのは、私にとって最高の悦びのひとつである。
たまにブログでも、そんな女たちがはっちゃけまくる映画を紹介していきたい。
なんのために。今日はその第4回。


※また、「ミクシィ」というツールでも同様のコミュニティを開いています。
そちらはもっと様々にブランチがあって楽しめるかと思います。
もしやってる方がいたら見てみてください。
「女の【対決!】映画」http://mixi.jp/view_community.pl?id=278039


■■女の【対決!】映画あれこれ・基本編■■


●『疑惑』(1982 松竹)
もう説明不要ですね。多分これが邦画において、質、女優の格、作品としての完成度、アバズレぶり、
いやらしさにおいて完璧。この作品を超えるような【対決!】映画って、私が死ぬまでに作られるかなあ。
志麻姐のコメント「桃井さんとは撮影中とっても仲良くなったんですよ」を紹介するにとどめます。


●『鬼畜』(1978 松竹)
女優対決界の東西横綱小川真由美(妾)と岩下志麻(本妻)が冒頭からいきなりガチンコ対決。
緒形拳クラスの男優も完全に霞み切るパワーでぶつかり合います。
最近見直したら志麻、真由美にせんべい布団3枚ぐらい投げつけてました。
緒形拳は「この映画は小川真由美さんと岩下志麻さんのものです」と最近自著で語ってました。
壮絶としか言いようのない一本。


●『遺産相続』(1990 東映
佐久間良子(妾)と小川真由美(本妻)が荒々しく対決。うりゃあ。
愛人役の多い小川が日本アカデミー助演女優賞にノミネートされ、
司会の徳光和夫に「今回は『本妻』役なんですね」と突っ込まれるや、5秒ぐらいタメを効かせてから
グッと睨みつけ「……何か?」と言ったのが今も私の脳裏に焼きついています。
屁負比丘尼ネタはこの辺から使ってたんですね。
こちらはベタな女の戦い。「業」とか「人間の恐ろしさ」などという深いものはちっとも描かれません。
娯楽としての「女の対決」を純粋にお楽しみください。


●『Wの悲劇』(1984 東映
三田佳子大暴れ。薬師丸ひろ子を恫喝し、大先輩の南美江にブチ切れ、
高木美保を役から引きずりおろすシーンを安々と演じてのけ、
映画史上稀に見るビッチ演技をスクリーンに焼き付けた。当時数々の演技賞に輝く。


●『春の鐘』(1985 東宝
前作『Wの悲劇』で何かが壊れた三田佳子が乗りに乗って情念の女を熱演。うりゃあ。
本妻役で妾の古手川祐子と対決する。役中ではずっとハイカラなスーツ姿なのに、
嫉妬に燃え狂乱するシーンではいきなり女郎系の着物に早替えするシーンを演じ、
世の中を恐怖と笑いのどん底に叩き落した。


●『夜の蝶』(1957 大映
女の【対決】クラシック部門の白眉。
銀座のママvs祇園のママという設定からアゲ。嫉妬に狂った山本富士子が車で
ライバル京マチ子に体当たりし、「あほにしよってぇぇぇぇっ!」と
叫びながら谷底へ叩き落すラストは圧巻。昔の人は違うねえ。


●『吉原炎上』(1987 東映
多くの男をインポにし多くのゲイを開花させた名作中の名作。
色街の女達がそれぞれの運命と【対決】するが、
私的には見事な切れっぷりで金魚もろとも自殺する藤真理子に一票。
西川“バイトミー”峰子が当時二十代だったことが発覚。うっそお。


●『上方苦界草紙』(1991 東映
日本女優対決界のトップの一人、小川真由美先生が今回も大暴れ。
自分の男と関係を持った葉山レイコをたちまち縄で縛り上げ
「これでもかぁ!」と叫びながら折檻するという見事な縄師&S兄貴ぶりを披露。
「葉山と代わりたいィ!」と嫉妬の叫びをあげたM奴隷も多かったとか。ほんとか。


●『八つ墓村』(1977 松竹)
そして小川真由美先生の怖ろしさを経験するなら
この映画しかありません。リアル女との対決シーンはないものの、あろうことかホンモノの「化け物」となって、
暗い洞窟でショーケンを追い回すという偉業を成し、今日のジャパンホラー全盛となる
礎(いしずえ)を作り上げられました。裏話としては撮影時に「神社だか何かのそばの古い楔(くさび)を
お祓いもなく抜いたんだけど、それから変な出来事が続いた」
とのコメントあり。何かが真由美にとり憑いたに違いない。
とり憑きっぱなしとの噂も。


●『嫉妬』(1971 松竹)
そして日本女優対決界の片方の雄、岩下志麻の珍作。
陰謀に巻き込まれた夫のかたきをとろうと、事件の鍵をにぎる浅丘ルリ子と対決するのだが、
なぜかラストでレズってしまうという不思議なオチが。
ビアン必見! 違うか。


●『五瓣の椿』(1964 松竹)
まだ志麻姐が人間の女だった頃のファイトあふれる作品。志麻ったら旧ソ連時代の
KGBスナイパーもかくやという手腕でサクサクと連続殺人を行なっていく。
志麻の母親役・レフト幸子がこれまた史上稀に見るビッチで、
志麻に軽々と焼き殺されます。あちち。


●『幕末太陽伝』(1957 日活)
その左幸子南田洋子と取っ組み合いの大喧嘩をして、見るものすべてを震え上がらせる名シーンあり。
全盛時代の「全女」のような迫力と凄みあり。


●『用心棒』(1961 東宝
日本女優の中でも最強のパワーと迫力で知られる山田五十鈴先生が、握力・腕力・基礎体力
そのすべてにおいて充実していた時代の名シーン見られる作品。
司葉子の髪の毛を「むんず」と掴み引き回すシーンは、女優の名シーンが少ない
黒澤映画の中でも出色の出来。後年司葉子先生が
「いまでもあのシーン『痛かったでしょ』って
聞かれますのよ、ホホホホホホホ」と言ってました。
根は深いようです。


●『ぼんち』(1960 大映
山田先生はじめ、若尾文子越路吹雪京マチ子北林谷栄中村玉緒草笛光子といった
老ババ専にはたまらないラインが総出演。女のいやらしさをこれでもかと魅せ付けてくれます。
山田先生(姑)、毛利菊枝(大姑)と一緒に玉緒(嫁)の「便所覗き」をする珍シーンを
楽々と演じています。PTSD決定。

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