すべてはアカシックレコードに――紀子妃出産

おめでとうございました

「デスティニー」「さだめ」「天命」……そんな重々しく、
普段めったに使わないような仰々しい言葉が頭に浮かぶ。
川嶋紀子という人は、この「仕事」のために世に生を受けたといっても過言じゃないだろう。
41年ぶりの親王誕生という、まさにこれ「ミッション」をうけて彼女は生まれ、皇室に嫁いだのだ。
 雅子妃の体調不良から一連のバッシング、続く皇室典範改正運動、絶妙のタイミングでの紀子妃妊娠、
そして当然かのような男子出産……またこれオーバーな表現だが
アカシック・レコード」という言葉を思い出してしまう。
よくSF小説やオカルトミステリーなどで用いられる表現なんだけど、
この世で起きる、過去から未来永劫まですべての出来事が記されているとう伝説上のデータのことだ。
そんなもんあるわけない、と思っちゃうけど、私は一連の流れを見て、
やっぱり皇室に関しては「台本」があるとしか思えない。
作:神、演出:アマテラスとかそーいう感じね。うーん7割ぐらいギャグだが、3割は本気だ。
 私は以前皇太子と雅子妃結婚パレードの際、東京は朝から雨雲に覆われ
「あらら、こんなめでたい日にかわいそうだねえ、雨足弱まらないねえ」などと
思っていた朝を思い出す。パレードはお昼前ぐらいからだっただろうか。
ちっともやまなかった雨が、パレード開始ほんの30分前ぐらいからにわかに勢いをなくし、
まさに直前といった頃合に暗い雲が割れ、光りが射したのだ。
 嘘のようだが私は目黒でその空を見たとき、瞬間的に「怖い……」と思ってしまった。
ジンワリとした「畏れ」といったらいいのだろうか。畏怖・畏敬……ちょっと違うなあ、超自然的なものに
触れたときのプリミティブな警戒心、というか……ああ、うまくこのニュアンスをつかめない。
漫画の名作「日出処の天子」で厩戸皇子が雨乞いに成功したとき、
それを周囲で見ていた人間はこんな気持ちになったんじゃないだろうか。誰も分からない例えか。すまん。
 なにがなんだかよく分からないけれど、皇室パワーというのは本当にある、と感じたちゃったのですね。
そしてこの男子後継誕生。タメにタメてタメまくった末の、意表をつく「次男嫁」ボーイ出産。
かえすがえすも、すごい演出だ。「ジラす」という大衆を酔わせるドラマツルギー
核心を突いてこられますね、最盛期の菊田一夫(「君の名は」)だって平岩弓枝(「ありがとう」)だって敵わない。
日本国民にとっての壮大なファミリー・ドラマであるというのは
皇室によく用いられる例えだが、私はやっぱり神話だと思う。それは神聖犯すべからざる
アンタッチャブルなものでなく、古事記的に人間臭いものね。すごく生々しいのにうやうやしいという
不思議に大きな矛盾を、皇室は描き出し続けていくのだろう。

 
 そのほかモロモロ今日朝感じたこと、皇室に関する感想などいい機会だから書いちゃう。
●その1
 秋篠宮妃は男子を出産、ということはまた今回も今日以前に報道されていたのだが、
いったいぜんたい何でここまでエッブリシング漏れちゃうのか。バレちゃうのだろうか。
ていうかさー、普通の企業でここまで情報スルーしてたら潰れちゃうでしょう(笑)。
よく雑誌にコメントしてる「宮内庁関係者」ってどんな人なのか、ちょっと私は知りたい。
なんていうか……この「宮内庁関係者が漏らしたところによると」という表現を目にするたび
橋田ドラマにおける「ヒソヒソ小耳に手を当ててナイショ話をする沢田雅美」とか
「雅子さんがねー」「内緒よー」などとベッチャクッチャ長話をしてる「園佳也子」みたいな絵が思い浮かぶ。
インジュンというかコソクというか女の園、というか。はい、ベタなイメージだ。
実際には男のほうお喋りなのかもしれないのにね。


●その2
久々にNHK教育以外がおなじ映像(宮内庁発表会見)を放送しているのを見る。
テレビ東京もやってるのを見て軽く驚いた自分に笑う。
各局報道特別番組でたっぷりしとやかに対応していたが、
内容的には思い出フィルムたっぷり、紀子妃の父親と同僚という学習院大学教授・篠沢秀夫
(懐かしいなあ、いにしえの番組「クイズダービー」のレギュラー回答者だ)
紀子妃の長いご学友をそろえた日テレの勝利だろうか。
フジ系列「とくダネ!」の小倉智昭がひとこと「すごくやりにくい日だ」と言ってたのが
印象的というか正直というか。私はこういうときだけ、この人が好きになる。


●その3
おととい某テレビ局のワイドショーでディレクターをやってる友人に
「メシ行こー」とメールしたら「紀子妃が予定通り出産したらスケジュール分かるから待って」
と即効で返事がきて笑う。そっかそうだよね、今てんやわんやだね。失礼。予定されるニュースに対して
どの程度下準備するものなのだろうか、ちょっと聞いてきます。


●その4
私は文中で「ミッション」という言葉を使った。
それは神道に準じる人間に対して使うのは、厳密にはおかしいという人もあるかもしれない。
(元々キリスト教の言葉だからね)
けれど私は皇室女子がになう「男子誕生」というタスク、といかデューティについてやっぱり
「になわれた十字架」というイメージが強く浮かんでしまうのだ。
映画『最後の誘惑』のウィレム・デフォーなんか思い出しちゃったりして。
この時代に、この風潮のさなかに、生まれたのが女ではすぐさま「次こそは」とか
書かれちゃう人たちなのだ。そこであえてこの言葉を使いました。


はひー、我ながらいろんなこと思ったもんだ。
今日は昨日とうって変わって秋の雨、冷たい風です。
もうすぐ11時、今日は何を食べようか。
良い一日を。


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