「想い出のイングリッド・バーグマン」

『聖メリーの鐘』より

こんにちは、「週刊女性」のアンケート
「最もHしたくない芸能人」で堂々入賞の「みのもんた」の
受賞理由が「何度も『ファイナルアンサー?』と聞いてきそうだから」
というのに大笑いしてしまった白央篤司です。
いやー作家さんが書いたかのようないいオチ、タマりませんね。
あとこれもドーでもいいことなんですが、「徹子の部屋」のHP、
来週のお客様の見出しが「84歳イタリアで阿波踊り瀬戸内寂聴さん」ってのもまた……。
金曜日はあのIKKOさんだし、下手なバラエティよりもよっぽどおかしいなあ。これまたタマりません。
と、ここで一転今日はイングリッド・バーグマンのことなど書いてみたいと思います。
古い洋画好きな人しか興味ないネタかもしれないが、どうぞ読んでやって下さい。


■前説
最近街のビデオ屋さんがドンドン潰れている。
TSUTAYAなど大手ショップ台頭のあおりだろうか、都市部のレンタル店は減る一方だ。
そして投げ売りのように昔のVHS作品が放出されている。一円でも多く稼ごうという狙いなのか、
はたまたある程度売りつくしたら閉めてしまうのだろうか。 
 店頭には、見るからにマイナーな作品や過去のテレビドラマ、
そして何十本も購入したのであろう当時のヒット作などが、100円ぐらいの廉価値札をつけられてひしめきあっている。
その光景は物悲しくもあるが、映画好きの私には「ひょっとしたらレア物があるかもしれない」という、
ささやかな興奮を与えてくれるものでもある。宝の山、というとオーバーだが、
過去に一瞬だけビデオ化されてすぐ廃盤となり、その後は何の音沙汰もなく消えていく作品が結構あるのだ。
 今買っておかなければもう見られないかもしれない―――家にまだまだ見てない溜まったビデオがあるというのに、
そんな思いで我が家のビデオは最近増える一方なのだ。


■本題
抜弁天ほど近く、近所のビデオ屋もスゴイ勢いで現在在庫放出中だ。
先日見つけた作品に『想い出のイングリッド・バーグマン』というものがあった。
4年前に発売された大スターの人生プレイバックみたいなシリーズで、
他にもオードリーやらグレース・ケリーなどが当時発売されていた。
 どうせ作品のいいとこどりだろうと、その時は見る気もしなかった。
しかし100円ならばまあ……という気になって先日買ってみたら、これが結構な当たり。素敵に嬉しい興奮。
アメリカのウォンバット・プロダクションというスターのドキュメントフィルムを専門的に作っている会社の作品で、
驚くなかれイギリスの名優、ジョン・ギールグッド(『オリエント急行殺人事件』で共演)のナレーション、
彼女の人柄を語る証言者としてリヴ・ウルマン(『秋のソナタ』で共演)
コリン・デューハースト(舞台『より豪壮な館』で共演)
アンジェラ・ランズベリー(『ガス燈』で共演)といったスター達はもとより、
長年彼女の代理人だったケイ・ブラウンをはじめ、世紀のスキャンダルといわれた不倫相手にして
2番目の夫・ロッセリーニ監督の姪など、家族の貴重な肉声もふんだんに盛り込まれている。
「彼女はジャンヌ・ダルクばかりやりたがっている女さ」という発言で有名な
ヒッチコック監督とイングリッドが談笑している珍しいシーンもあり、興味は尽きない。
 何しろ彼女の「顔」を見ているだけで飽きないのだ。自分に偽りなく生きてきた人、
そして聡明さと才能を持ち合わせつつ、努力をたゆまず行ってきた人だけが持つ、
「賢人」としての風格(いきなり脱線するがこのニュアンスを斎藤佑樹は既にして持っている……凄い)は、
もう拝ませていただくだけでありがたいですね……素晴らしい!
などともう何万回も賛辞を受けているハリウッド・レジェンドを
ここで褒めなおしてもしょうがないわけです、失礼しました。


■うつくしい言葉
 もっとも心動かされた名優の証言を記して結びに。
というかこれを書きたくてこのネタ選んだんですけどね。
うっわーここまで前置き、あっはははははは何回目でしょうこの運び、怒らないでね皆さん。
 アンソニー・クイン(あの傑作『道』の名優だ! そしてイングリッドとは『訪れ』で共演)
このドキュメントの中でこう語っている。
「優れた俳優はライトの位置など気にしない。光り輝くライトを彼らは、
自身の中に持っているのだから。そんな俳優は滅多にいるもんじゃないが、
イングリッドは内面から光り輝いていた」
(a great actor never worries about where the key light is.
The light is inside of him. Very few actors have the light of him. I think Ingrid glowed from inside.)
 
 至極名言だと思う。ライトの位置を気にする俳優……日本の芸能界でも何人かの名前が思い浮かびましたが、
うつくしい言葉を聞いたあと、野暮はやめときましょう。購入は出来ないようですが
レンタル店などではまだまだ見かけます。イングリッドに興味のある人はゼヒ。
外出も半そでだけでは心もとなくなりました。スッカリ秋です。響くや小路に虫の声。


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