ガエル・ガルシア・ベルナル主演作『キング 罪の王』

脇役も充実!

 うーーーーーーーーーん…………なんだか
観終わってからジワジワ来ている。
公開時期がまだまだ未定らしいので詳しくは書かないけれど、
多分12月ごろ公開予定のアメリカ映画『キング 罪の王』という映画にヤラれた。
「うわー面白い! 観て!!」 とか簡単にコメントできるたぐいの映画じゃなく、
ちょっと不気味で異様なテンションに貫かれた、不思議な映画だ。
 母子家庭に育った子が大きくなって母から告げられた父親に会いに行く。
愛を求めていた彼だが、その男には冷たく拒絶されてしまう。その男は善を説く牧師だった。
期待した優しさを得られなかった彼は父の家庭に近づいて……。というような話。
 ある意味ベタな展開で進んでいくのだけど、「これどーやってオチつけんの!?」ってなぐらい
刹那的で危うい行動に出まくる主人公に目が離せない。片田舎のアメリカ、キリスト至上主義、
近親相姦、近親殺人、嘘の上塗り……タブーの連続をうまく料理して、
なおかつ一貫して「この次何が起こるか分からない」という緊張感を漂わせる監督の腕前、ただものではない。
 主演が『モーターサイクル・ダイアリーズ』『バッド・エデュケーション』などで人気の
ガエル・ガルシア・ベルナル。演技からいうと、素晴らしいのひとこと。
もういろんな人が言ってることだけど、パゾリーニの傑作『テオレマ』を想起させるような
悪魔的キャラクターを実に見事に演じきっていて申し分ないと思う。
「父親の愛情に飢えた子の暴挙」というドラマティックな役柄、平凡な俳優なら
過剰な熱演に終わりそうなところですが……うーん、彼のこの役作りを観るだけでも
映画館に行く価値ありますね。すごい演技者だと思った。プログラムに書かれた彼のコメントも
「知性的な人だなあ、しっかりと演技や映画について勉強されてる人だなあ」と感心することしきり。
 と、ここで止めれば「いち映画ファンの素直なブログ」って感じになるんでしょうが
ヤッパリ私、余計なこと書いてしまう。
 この人ことにヨーロッパでは異常な人気でそのハンサムぶりが話題らしいんだけど……ああ、わからない!
顔立ちは確かに端正だとは思うが、顔と肩のバランスがヘンじゃないか? 顔のアップとロングショットの
印象の違いたるや驚異的。「すんづまり」というという言葉が頭に連呼。(←ヘンな表現)
 そう、思いっきり自分のことは棚に上げて書くが、この人の顔と体のバランスを見るたび
私はいつも「フレディ・マーキュリー」を思い出してしまう。ロック・ユー! まあ正統的美男子でないのが
この作品では非常に活きていたのだけれど……はい、人の外見のこととやかく言うなんて下品ですね。スイマセン。 
 と、フレディにちょっと触れてみましたが今月21日からは『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』という
ドキュメントも公開される。今年が生誕60年、没後15年なんですね。早いなあ。
 生前親交のあった友人・恋人たち・肉親など大挙出演で彼の思い出を語る一本。
ミュージシャンとしての彼とか人間像に迫る、というような硬派のドキュメンタリーではなく、
彼を愛した人たちのハレルヤ賛歌に終始した内容だったのでコメントは控えるけど、ファンにとっては楽しめる一本だったと思う。偉そうにスイマセンね。と謝ってばかり、これからまた試写に行ってきます!


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