日曜恒例・一週間の記録 −ただ自分のために−

メイ子はともだち

 こんにちは、森繁久彌センセイが高校・大学の先輩だったと知って驚いている白央篤司です。
うちエスカレーター式のマンモス校なんですが、こんなグレイテストな先輩がいたとは……まあ
かるく80年前ぐらいの話なんですけれども(笑)。そしてなおかつこの方「元NHKアナウンサー」だったんですね、
転身アナとしてブレイクした芸能人のさきがけでもあるんだなあ。最近彼の作品を立て続けに観ていて
ちょっと興味があって調べていたらみつけた小ネタ、前説に使ってみましたがイマイチですね、失礼しました。


 さてこっそり日にちをさかのぼってアップしますが一週間のプレイバック、
完全に自分のための記録としてつけちゃいます。ちょっとバタバタでゆっくりブログ原稿に向かい合ってないなー、
ダメですねこんなことじゃ。なんていうか、私の生理としてグワーッと書きたくなるときと
ギュギュギューっと吸い込みたくなるときが不定期にやってくるようだ。
今吸収期ですね、やったら映画観たり、読書がしたくてしょうがなく、かつ何本でも何冊でもドワワーっと鑑賞できる。
ビデオ観てて一日が気がついたら終わってたり本は読み終えるまで止められない。
でもそんなことしてフト見れば窓が暗くなっていると、誰かがかつて無為徒食の人間を指して評した
「人糞製造機」という言葉なんて思い出し暗澹としちゃうんですけどね(笑)。
 まあこんな他愛もないヒトリゴトを記す日があってもよかろう。
 

日:「こんな汚い家に住んでいちゃダメだ!」という一念発起が一ヶ月に一度ぐらい来る。
そう、心は「松居一代」のごとき掃除魔と化してひたすらに家を磨きほこりを払い洗濯を繰り返す。
スッキリ。夜は京橋の「ダバ・インディア」で友人連8人と会食。銀座の名店「グルガオン」の姉妹店だが
インド料理というものはカレーだけにあらず様々に美味しくバリエーション豊かなものだと教えてくれた店。
断言するが近いうちインド料理ブームが来る。というか来させる。
 カレーも様々、おいしいなあ。


月:原稿を根性で午前中いっぱいであげて午後はビデオ三昧。ツタヤが半額中に観れるだけ観てやろうという貧乏根性、
やだねえチンピラライターは。その昔、母・フジエが好きだった大河ドラマおんな太閤記」総集編3本立てを観る。
当時の佐久間良子の美しさと表現力に唸る。
 役名は「ねね」。ちょっとフランスの「BB(べべ)」みたい。違うか。


火:気になっていた新宿御苑の最近できたチャイナ「古月」にてランチ。洒落た内容で女性に人気が出そう。
デザートの白胡麻の冷やし汁粉が美味しかった。あれで1000円なら納得。市川崑監督作「おはん」をビデオにて。
本妻が吉永小百合、ダメ夫が石坂浩二、妾が大原麗子。吉永のうなじの美しさに唸る。唸ってばっかりだな今週。
というか撮り方が美しいのだ、撮影の五十畑幸勇に拍手。そして文楽人形のような吉永の着付けも素晴らしい。
私は最近市川作品においてはその撮影美を楽しむだけでもう満足してしまう。大原麗子がぞろっぺえな女の役で、
夢二的ノンシャランな女性を見事に体現していて素晴らしかった。だらしなく着た和服の素晴らしいこと! 
夜は四谷のスペイン料理屋でバイト。
 「古月」、かなりこんでました。キレイな内装もいい気持ち。


水:上野へ仏像展を観にいく。夜は画文家・Oさんと編集Mさんと荒木町の「カルミネ・エドッキャーノ」で会食、
その後近くの「ゑまふ」にて飲みなおし。この日も市川崑監督の「つる」をビデオで観る。
庄屋役の菅原文太が素晴らしい。これまた文楽人形のようで威厳があってわざとらしくなく、
映画演技としてギリギリ「あり」という範疇の舞台的演技を見事に体現していた。これをまったく無視して
自分のやりたいようにやったのが野田秀樹。板の上ならば喝采を浴びる(んでしょうね、はいイヤミ)強い
抑揚の付いたお芝居もフィルムではあざと過ぎた。この役者は「自分」を見せよう、としている。
そこに「役」がないのだ。役の範疇を越して自分を出す自称・役者ほど私は嫌いなものはない。ああ蛇蝎のごとく。
つるがいなくなって悲しい、というシンプルなドラマトゥルギーがまーったく活かされなかったのは
ひとえにヨヒョウの役柄形成が出来てなかったからだと思う。その点、坂東玉三郎が演じた舞台版の渡辺徹は良かった。
 これは本館のホトケさま。撮影可能なものが多くて嬉しい。


木:先輩ライターYさんからバイト仕事をもらう。ありがとうございました! 一日その仕事。
夜はビデオにて「肉体の門」を見る。安っぽい女優が安っぽい役をやるとかくも悲惨なものかと改めて認識。
自分の中の「女性性」を客観視できない女優ほど安いものはない。そこと向き合って、一度自分の「女性性」を
捨ててからどう再構築するかが女優の「いのち」なのだ。桃井かおりなんかはそれを達成した人ですね。
この作品中、女優の誰一人としてそういった高度なことをまったくできていない。
かたせ梨乃が大女優になれないのは一重にそこだ。
 なんでいつもそんな一生懸命なの梨乃。


金:この日もY氏からの仕事を夕方まで。夜は四谷にてバイト、その後後輩21歳法政の大学生と飲む。
新宿3丁目「サウダージ」にて。10歳も歳が違うと思うと愕然とするがこれからそういうことばかりなのでしょうね。というか年下で飲む奴ってホントいないなー。


土:「猫と庄造とふたりのをんな」を観る。豊田四郎の映画って良くも悪くものんべんだらりとして、
編集の妙味というものを感じさせる作品が少ないなあ。そこに叙事詩的な面白さを見るか否かは
趣味嗜好になっちゃうのかも、だけれど私には物足りなく思える。いつも見据えている彼の冷静な目、
というものを感じてどうにも感情移入ができにくいのだ。その後天知茂明智小五郎シリーズ、
「黒水仙の美女」「エマニュエルの美女」を観る。素晴らしい。これらについてはまた詳しく。
その後日舞の稽古で人形町へ。


日:朝起きて成瀬巳喜男の「女のなかにいる他人」を観る。ストーリーやら新珠三千代の演技やら注目されている点は
すべてすっ飛ばして、小林桂樹、いいなあ! 彼は日本が失った美意識をすべて持っている!! 
これも今後の研究課題のひとつだ。その後上京した母・フジエに会いにいく。眠れなかったと見えて
疲れた顔をしていてちょっと心配するも話してみて元気そうでよかった。
日本橋高島屋地下にて「デンタイフォン」のショウロンポウを食べる。季節限定の蟹味が非常に美味しい。
すごく寒い雨ふる底冷えの日であった。
 どうかいつまでもお元気で。


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