『ダニエラという女』

確かにすばらしき美貌

 『マレーナ』など作品のでその美貌を全世界から絶賛されてきたモニカ・ベルッチ。最近ではディオールの新色口紅のモデルにもなり、「イタリアの宝石」という異名さえもつ(本当か知らないけど)この超美人スターがその肢体を惜しげもなく晒す官能的な映画が登場。身につけるジュエリーはすべてカルティエ、毛皮はフェンディ、ドレスはドルチェ&ガッバーナプラダラルフ・ローレン、そして靴はクリスチャン・ルブタン! もうきらめくばかりのファッション映画、女性が憧れる華やかな世界が広がる夢のようなひととき!! と思ったら大間違い。


 これはですね、「いかにフランス人がヘンテコリンでトンチンカンでおマヌケであるか」ということを、ものすんごい手間ひまかけてお金を使って見せてくれる映画なのです。ふざけているようで大真面目、真剣なようで超スットボケ。
 監督は『タキシード』『美しすぎて』のベルトラン・ブリエ、もうこれでフランス映画好きなら「あー……なんとなくわかる!」と思っちゃうかもしれない。この人ストレートな描き方のようでいて、とってもからめ手。結局何が言いたいの!? と思いきや実はシンプルに突っ込んでくるような不思議な映画を撮ってくる人だ。最後まで気が抜けない。最後まで何が何だかよーく分からない。(多分最後までよく分からない人も多いだろう)私は今回、「フランス人って変なヤツバッカだよなあ、俺もそうだけどさあ」という監督の苦笑にも似た人間考察見本を見せられているような気がしてならなかった。その狂言回しとしてイタリア美人を使ったというのはご明察ってもんだろう。原題は「combien tu m'aimes?」(いくらで私を愛してくれる?)、これを分かっていくと映画もすっと頭に入りますよ。素敵なビューティ&ラグジュアリーな世界を期待していくとトンでもない目に合うので、ご用心。


映画公式ホームページ:http://crest-inter.co.jp/daniela/index2.html
12月9日よりシアター・イメージフォーラムほかで公開


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