ロココな人々

あたぁくし世界に不動産もってまぁすの

 今週発売の週刊文春(12月21日号)「私のリビング」コーナーにてあのデヴィ夫人が登場。というか……まあ大体想像つくでしょうが、思いっきりロココな世界がこれでもかと広がっているわけですね、「ひとりなりきりヴェルサイユ」状態というか……「ひとり華燭の典」状態というか……。そう、華美っちゅうか「過美」なんですよねえ。分かる人だけしか分からないネタだが、仙台にある「江陽グランドホテル」の内装に激似。ご本人も丁寧に「ルイ15世時代のポンパドール風にインテリアを統一してる」とのお言葉を……。ありがたやありがたや。うしろにはブロンズ像、地球儀、金細工、カシニョールらしき絵、果物、そして胡蝶蘭……私が小さい頃にゴージャスとされていた「調度品」があふれんばかりに。この人の時間はいったいいつの時代で止まっているのだろうか。


 なんだかなあ……こんな部屋に住んでいても多分彼女「落ち着ける」んでしょうね。それがすでにナミじゃないですわ。こういう「金銀パールプレゼント」みたいな分かりやすい「豪奢」「栄耀栄華」「舶来礼賛」なる世界に身を委ね、憧れきってしまっている価値観……もうシモジモの私はただ、目を丸くしてしまうのみだ。
 この手の「ロココな人々」ってのはいつまでも、各世代に一定量生産され続けていくものなんだろうか。それともこのデヴィ世代で終焉を迎える感覚なのだろうか。こういう内装の家に住んでることではこの方と美輪明宏、それからグッと下がって假屋崎省吾、メイクのIKKOなどが有名だが……他にもいろいろいるんだろうなあ。
 私にはまーったくもって分からないヴィ意識、じゃない美意識の世界だ。(もちろんデヴィ夫人には「お育ちが悪いからわからないのよ」と一蹴されるでしょうけども、ね)まあ下賎の身ながら言わせてもらうが、この写真、片隅にクリスマスを意識してかポインセチアの鉢が置かれているのだけれど、その下の水受け皿はどー見ても100円均一のプラ皿にしか見えないぞッ!? そう、こういうツメの甘さを私には「ロココな人々」から感じてしまう。家中の豪華なもの全部集めてきました、みたいなおマヌケ感を感じてしまう。なんなんだこの違和感は!?


 多分…………私が感じているのは、「窮屈」さなんだろうなあ。
 えてしてこの手のロココな人々は「好きなもの、美しいものに囲まれて生きていきたい」などと語りがちだが、それは「本当に心から好きなもの」という自然発生的なセンスではなくて、「富の象徴」「成功のシンボル」としての「好きなもの」なのだ。小さい頃、貧しかった頃に夢見た富裕層の直球なイメージなんだと思う。それらを身の回りに置いておくことで得られる安心感、達成感、自身のステイタス……それは細い目にコンプレックスを持つ女が執拗に塗り固めたマスカラにも似て。それは背の低い男がこっそり靴底にしいた厚手のソールにも似て。ハッキリいって、ダサい。そして物悲しい。手に入れたかったもの、入れたいものを獲得すべくガムシャラに生きてきた人間のいきざま、心のさまがそこにあるような気がするのだ。
 私はこういうツメの甘い「典雅なるロココ」を見るたびに、お菓子の家に住んだヘンゼルとグレーテルが思いっきり歳を経た姿を見せられたような、ゲンナリとした気持ちを感じるとともに、一抹のやるせなさ感じてしまうのだ。


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*日曜恒例・一週間の記録

月:最近夕方、それも日のまだちょっとあるうちに銭湯に行くのが楽しみになっている。うちは歩いて2分もしないところでお湯がもらえるのだ。午前中に家のことをすませ原稿を書いたり出かけたり。帰ってきてちょい風呂。金も名誉もないけれど、こんな生活を組めるのが自由業の醍醐味……といったらオーバーですね。はい、そんな余裕もないぐらいスケジュール埋めたいモンです。夜は先輩ライターのY氏とK社の編集・M氏と忘年会。新大久保「ソムオー」にて。Yさん、ごちそうさまでした。早く恩返しできるように頑張ります。
火:昼は翻訳家のMさんとランチ、恵比寿「Delizioso」にて。ここは安くてボリュームがあって品数も質もいいランチでいうことない。サービスも気取ってなく居心地がいい。夜もさぞかし楽しいだろう。その後K社によって来年のメシ企画の打ち合わせ。
水:朝からコマゴマした用があって西新宿へ。そのとき通った道にまさか四日後首なし死体が投棄されていようとは……オソロシヤオソロシヤ。昼はランチをやめるというので御苑の「タベルナ・ロッサーナ」へ。
木:昼は御苑のラーメン「ひるがお」へ。まあまあ。原稿やら細かい仕事をしつつどうにも気が乗らない。いけない。体をも動かしてない。美輪明宏が昔何かのテレビで言っていた「人糞製造機」という言葉が、「無為徒食」という言葉が頭にめぐる。ダメだなあ。ちょっと泳ごうとするも水着が見つからなくてますますイライラ。この2,3日と心がデフレスパイラル
金:神楽坂S社で午前中から打ち合わせ。東京マラソン関連のお仕事、Nさん本当にありがとうございました。年が越せます。よっぽど神楽坂で何か食べようと思ったのに体調が思いっきり悪く腹具合がおかしい。「まっ、まさか流行のノロではッ!?」と怯える。夜は四谷のスペイン料理屋バイトなんだが「営業停止」「腹痛を訴える客20数名」「ずさんな衛生管理」などの見出しが頭に。オーナーに相談するも「大丈夫じゃない?」とのことで働いてるうちに元気になりました。帰りに荒木町の「ゑまふ」でちょっといっぱいやって帰る。
土:友人Yの忘年会に出席、若い子供ばかりで面食らう。年取ったなあ。ついてけなくて1次会にてさっくり帰るめずらしい土曜日。よく寝た。