フュギュアが終わって日が暮れて―グランプリファイナル雑感―

　いやーなんなんでしょう今大会の「体調不良」の嵐。まるで「大忘年会の翌日における会社のホワイトボード」のよう。「体調不良・体調不良・午前中病院・取材先直行・本屋立ち寄り……」はい、こんなの出版関係だけですよね。それはともかく、日本団に陰陽師が呪いでもかけてたんじゃないかってぐらい、みんな負のサイクルに取り込まれちゃって見ていて痛々しかったなあ。でもまあお疲れ様でした。転倒しても2位っての、考えたらすごいことだもんね。
　最近フィギュアにハマってるハクオー、各局報道見てましたがいやー、村主章枝のガン無視されっぷりがファンとして悲しくなりました。集中力に欠けてたような印象はあったものの、ベテランらしく安定した演技であれで4位につけたってのは立派じゃないのかなあ。ファンの贔屓目でしょうか、ちょっとぐらいは触れてあげてもいいのになあ。
　しっかしマスコミってのは恐ろしいもんですね、いきなり当日のネットニュースの見出しが「真央ちゃん転んだ」ってだるまさんじゃないんだから。そう、思いっきり「マスコット」としか思ってないんですね。ちゃんとしたプロのスポーツ選手であってアイドルでもタレントでもないんだからさ、普通に「ジャンプ成功ならず」とか「浅田転倒、連覇ならず」という普通の見出しにすればいいじゃないか。（と言いつつも彼女、しっかりCM活動してタレント業もやってるので余り強く弁護もできないのだけれど）うーん……この軽い不快感って、マスコミが必至に「時代のアイドル」を作りたがってる空回り感から来てるんだろうなあ。誌面でお祭りしたくってしょうがないんだよね、「ヨンさまブームよもう一度！」的なマスコミバブルほしくてしかたないような、さもしい感じがする。プロの世界をからかっちゃあいけない。しっかり自分で切磋琢磨して世界の壁に挑戦してる選手じゃないか、成人じゃなくとも大人扱いすべきだと思う。少なくともプロフェッショナルに「ちゃん付け」なんてやめてほしい。なーんて何をムキなってんだか。

　海外で演技することの難しさ、というものを改めて知らされた感じ。キム・ヨナも謎の腰痛に襲われていたというし（それは遠征前からのよう）、フィギュア界を覆う謎の不調……やだなあ。全日本ではみんな体調戻ってますように。かつて中村紘子が書いた「チャイコフスキー・コンクール」という本の中で、異国の地におけるコンテスタントの体調・精神面の管理の難しさを描いた章があって大変興味深く読んだが、スポーツ選手のそういった管理面を描いた本もたくさんあるのだろうな。今度読んでみたい。もしおススメある方はどうぞ教えてください。
　あ、そうだ。番組は忘れましたが、松岡修造が海外遠征における体調管理について「飲み水が危ないところではミネラルウォーターを日本から持っていくのは当たり前だし、またアフリカでは生活用水が目に入っても危ないという噂があればゴーグルして、口を絶対開けないようにして浴びていた」という発言をしていてちょっと驚いた。プロ意識というのか……そういう細やかなケアとかしなさそうなタイプかと思いきや、やはり世界に行く人は違うのですね。ちょっとそのほかに思ったことをパラパラと。

　一位になったキム・ヨナ選手、なんちゅうか……「ムーディ」な子ですねえ（笑）。綺麗とか演技力とか情感溢れるとか、そーいう簡単な言葉ではこぼれてしまうような、表現しきれない魅力のある人だ。そう、ムーディ。リッカルド・ムーディ。それはムーティ。分かる人だけ分かって。あのイナバウワーからのジャンプ、シビレました。腰大事にしてまたまた魅せてほしい。
　あと、これは思いっきり主観の問題かもしれない。でも書いちゃう。うーん……ミキティって他の選手に比べて、ここのところ数段衣装のセンスがいいと思いませんか!? （と言ったら、周囲のフィギュア好きの友人達からは「そう？」「トリノのときなんて緞帳みたいだった」「動くことを考えて作られてない」と散々だったのだけど……笑）　
　私は常々「どーしてフィギュア選手って30年前の地方バレエ団みたいな衣装にこだわるのだろう？」と思っていた。（特に男子にその傾向は強いような……マジシャンとかソーシャルダンス系なんですよね）今の浅田真央にもそーいう傾向がある。昨年のグランプリファイナルなんて昭和50年代に宮城県民会館でバレエ発表会出てる子みたいだもの。（まぁその着せられてる感がファンはいいらしいのだけど）特別なデザイナーでも安藤にはついてるのだろうか。それとも単に経済的な問題なのだろうか……荒川はずっとお母さんの手縫いだったというし。わからん。
　うーん長いな！ これで終わりです。ひとこと。
「フランスにもブライアンなんて名前あんだなあ」はい、くだらないですねブライアン・ジュベールのことなんだけど。ブリオン、とか発音するのかな。ちょっとたまーにあの人、「トム・クルーズ」っぽく見える。そーいうノー天気な感じもフランス出身というのが信じられない。
　はい、さようなら。良い一日を！

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