あっぱれSHEILA −ひと皮むけた女−

　こんにちは、SHEILAの芸人根性に度肝抜かされている白央篤司です。いやあ……素晴らしかった！ ご覧になりましたか皆さん、先日放映された日本テレビのモノマネ番組で彼女、なんと「ハゲヅラ+デッパ」という扮装で登場、さだまさしのモノマネで見事ワンネタやり切ってましたが……これがねえ、素ッ晴らしい「吹っ切れ具合」なんですよ、もうモデルとかキレイどころというポジションを完全にかなぐり捨てたそのお姿……まさに「ひと皮むけた」という表現がピッタリ。元々お笑い寄りのコメントが多く、ネタできそうな彼女ではあったが、まさかここまでやってくれるとは夢にも思いませんでした。根性座ってますね、この子。
　こういう「本当は綺麗な人が無理に落として笑いをとる」系の痛さや「あちゃー」感もまったくなく（失礼な話だが、さほど未だ売れているタレントさんではないというポジションもよかったのだと思う。落ちてきた頃にこういうことやるのが一番よくないもんね）、素直に「よくやったなおめえ！」とゲラゲラ笑わしてくれる痛快感があったのがヒジョーによかった。いい人なんでしょうね、きっと。私は最初この人をみたとき「アウトレット・梨花みたいな人だなあ……」という安っぽさを感じて、芸のない売り方だと思っていたが、こんなセンスのある人だったのか……結構ファンになってしまったかも。これからの行く末にちょっと注目したい。

●日曜恒例私的メモ・一週間の記録
月：なんとスポーツ関連の記事をやらせてもらったりして自分でも驚く。S社のNさんありがとうございました。マラソンの順路や歴史みたいなことのキャプションをちょろっと書かせてもらったのだけれど、奥の深い世界ですね。お昼は近場の「青葉」の特製ラーメン。夕方まで原稿書き。夜はビデオ2本観る。『シーデビル』メリル・ストリープに男を取られた奥さんが真綿で首を絞めるように復讐を遂げるコメディ。主演女優に決定的にチャームがなくてドラマが燃えない。『レス・ザン・ゼロ』これ大昔に原作読んでしびれたんですけどねえ……私がオッサンになっただけだろうが、大甘なバカボンが人に迷惑かけまくって自己満足で死んでいく駄作にしか思えない。
火：荒川マラソンとか青梅マラソンについて調べたり。なんだか……走りたくなってきた自分に笑う。スポーツ音痴なんですが、「ボーっと泳ぐ・走る」ってのに限り嫌いじゃないんですよね。その原稿を書き終えて東新宿の駅まで歩き、飯田橋・ギンレイホールに向かう。「もしも昨日が選べたら」「ルイーズに訪れた恋は……」の2本立てを観る。「もしも……」すっごく分かりやすくハリウッドが「泣け〜泣け〜」とたたみかけてくるのにマンマと乗せられてしまう。はい、この日ギンレイで年甲斐もなくしゃくり上げていたオッサンは私です。もう一本に関しては、はじめてローラ・リニーを退屈と感じてしまった。大好きな女優なんだけど……。夜は編集Nさんの忘年会を新宿3丁目「サウダージ」にて。スカパーの人やら編集さんやらワンサカと。
水：「ヴィノスやまざき」にて久々に感動。ジャン−シャルル・ミランという造り手のシャンパーニュがショッキングに美味しい。1996年までの100年間、あの「クリュグ」にブドウを売っていた人らしいのだけれど、シャルドネのブランドブラン、素晴らしかった。今年亡くなったアルトマン追悼じゃないけど、家で『ザ・プレイヤー』を観る。面白いなあ。グレタ・スカッキってこの頃売れてたけど、今は何をしてるんだろう。
木：忘年会。せいこさん、オノックスさんアサモトさん、ナラシューなどなど、ありがとうございました。
金：午前中にジェシカ・ラング主演の『ブルースカイ』を観る。「んなあほな」という話を演技者の個性で魅せ切っちゃう。最後、自分のお父さんと寝た女をそう簡単に許せるか、少年？ と思っちゃってノレませんでした。夜は四谷のスペイン料理屋でアルバイト。オーナー夫婦さんとその後飲む。
土：編集Nさんがカメラマンさんとライターさん主催の忘年会に誘ってくださる。主催のお二方はかなりのベテランのようで、各出版社からの参加者もそうそうたる面々……。とある古い日本家屋にお鮨やさんを呼んで握らせ、バーテンさんも本職の方がカウンターについて酒を振舞うという本格的なホームパーティ。こんな世界もあるのですね。どういうご縁か分からないけれど、三木のり平さんのお孫さんと金子信雄さんの息子さんがいらした。舞台演出をしてらっしゃる金子さんのご子息とお話させていただきましたが、お母様でらっしゃる丹阿弥谷津子さんのお話、文学座のことなど色々聞けて興味深かった。そして暮れなずむ肝臓……。