最近の映画から 1

最近作ったハンバーグ

 最近料理熱が再燃してきてる白央篤司です。うーん久しぶりのこのやる気……いったいなぜ(ビンボーというのも過分にあるのだけどね)。テレビでも料理番組やってるとつい見てしまう。先日も玉ねぎをどっさり買い込んでエッチラオッチラ、あめ色ドロドロになるまで大量のスライスオニオンをゆっさゆっさとフライパンで転がす。これ入れると大概のシチューは美味くなる。スジ肉をグツグツ煮て本なんか読みながら、うーんなんなんだこの満足感、充足感は。写真は最近作った和風ハンバーグ。ああ暇な主婦のブログのよう……と、書いてると締め切りが明日の原稿が一本あったことを思い出す。ひええええもしO社のKさんがこれを読んでいたらどうしよう! さて、仕事します。今日はこれから横浜。あ、でもその前に今日は最近見た映画のことをメモ列記しておきたい。いろんなタイプの映画が詰まってますよ、お好きな方は読んでみて。


〇『モーツァルトとクジラ』

どうでもいいけどちょっと前に『イカとクジラ』(傑作!)なる映画も公開されたばかり。これと佳作『八月の鯨』を合わせて世界三大クジラ映画と並び称したい欲求がフツフツと……ああくだらねえ。さて『ブラック・ダリア』『ラッキーナンバー7』でノッてるジョシュ・ハーネット主演の映画です。アスペルガー症候群(知的障害のない自閉症、とチラシには説明)、対人関係や論理的に考えることが苦手だったり、できなかったりするが、特定の分野では飛びぬけて能力を発揮する……そんな障害を持つカップルの話だ。相手役はW・アレン監督作『メリンダとメリンダ』のラダ・ミッチェル。監督はピーター・ネスというノルウェーの人。ハーネットの演技はとても秀逸で見るものを引き込み、自然と彼のことを好きなってしまうであろう好演。ただ物語はいまひとつアスペルガー症候群、というもののやっかいさを描けてなかったと思う。ゆえに今ひとつノレず、恋模様も盛り上がらなかった。ラダ・ミッチェルの役は、もしもマリリン・モンローが生きていたら是非やらせたかったなあ。現代を生きるには心がキレイすぎる、故に人一倍繊細で傷つきやすく、感情的になってしまう……という女性を体現できていなかった。ミッチェルはこの役に必要な「天使性」が絶対的に足りなかったのだ。
2月、銀座シネスイッチにて。


〇『フランシスコと2人の息子』

ブラジルの人気歌手、「ゼゼ・ジ・カマルゴ&ルッシアーノ」の生い立ちを描く実話ドラマ。すっごくすべてが淡々とスピーディに無駄なく描かれていて好感を持つ。でもずるいなあ、ああずるい。子供はずるいなあ。二人が音楽を目指す過程が描かれるのだけれど、その子供時代の役者がすっごくいいんだよねえ。音楽をやりたい、歌いたい、という真剣なまなざし、拍手をうけて嬉しい、という純粋な瞳のなんと美しいことか。今の日本の「おつかれちゃーん」とか言ってそうなこまっしゃくれたガキの巧さとまったく違うよさ。動物のようにしなやかなブラジルの少年二人がなんともいじらしく、素直に演じているだけでオジサン涙でてきちゃってねえ……。まるで本人達の子供時代がのりうつったかのようにナチュラルで素晴らしい。この子供を見るだけでも価値はあると思うけど、そこが良過ぎて後半の大人の部分が見劣りしてしまったのが残念。年月って酷だな、というとこに気持ちが行っちゃってしまったのだ。

早春、シャンテシネほかにて。


ちょっと長くなったので続きは明日! 


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