「いまどき」ってなんだろう?

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 こんにちは、気がつけば一年以上も賞味期限を過ぎているお蕎麦を食べてもなんともなかった白央篤司です。いやーてんこ盛りでお蕎麦ゆでてから気がついて焦った焦った(笑)。まー食えるもんですね、ひょっとしたら体が頑丈なだけかもしれないけれど。そんなことはともかく、先日「昭和系の言葉たち」http://d.hatena.ne.jp/hakuouatsushi/20070131という日記をつけたんですが、実はこの回、以下のようなちょっとしたいきどおり、というか疑問を綴ったものだったのですよ。だけどあんまりにシメっぽいかなあ、愚痴めいてるなあと思って没にしてしまったのだ(イントロだけ一緒にして、それに続く文章を他に考えてネタにしました)。けれどこんな回がたまにはあってもいいかな、こういう気持ちを31歳のときに思っていたことを記録にしておいてもいいかな、と思えてきたので載せちゃいます。イントロもまったくいっしょ、手加えなしでのっけますが、まあお許しを。


■「いまどき」ってなんだろう?
  こないだ「最近調子どうですか」と訊かれたおり自然にツルッと「息災にやっております」というフレーズが出てきて自分でも驚いてしまった。いくつだ俺は。うーん……でもこういう息も絶え絶えな日本語表現、好きなんだよなあ。
 この手の言葉をつかうとお決まりのように「いまどきそんなこという人いないよ」「誰もつかってないじゃんそんな言い方」とか言われちゃいますね。ああ……こう書くと嫌われるだろうが、私そーいうこという人っていっぺんに信用できなくなってしまう。ああ、この人も「あっち側」の人なんだなと思っちゃう。あっち側っていうのは、「みんなと一緒」ということが結構大事な優先順位になっている人々のことだ。どうして「誰も言わないよ」なんて平気で言えちゃうんだろう。
 誰も使わないからなんだっていうんだ? 「いまどき」ってなんなんだ!? 「誰も言わないよ」って言葉をつかう人には、こーいうことを考えない「鈍感さ」を感じちゃうんですね私。自分が知らないことを、知ってることのほうがアンユージュアルなことにして安心する、というすり替えに思えちゃうんだけどなあ。
 誰も言わなくたって俺が言ってんだからいいじゃないか。ちゃんと字引(これも「いまどき」じゃないね)に載ってるぞー! お前が無知なだけじゃー!! 自分の物の知らなさを「みんなも知らないじゃん」ってことにすりかえるなーっ!!! そう声を大にしていいたいけれど、「いまどき……」という言葉の前に私は結構うちのめされちゃうのです。そう、そうですね……ポップでアーバンでアップトゥデイトでブランニューなセンスに欠けてるんでしょうね私の感覚……青菜に塩(もうヤケクソで古い表現を多用)よろしくうなだれちゃうんだなあ、「いまどき」という言葉の前には。随分昔からこのことに、オーバーなようだけど悩んできてしまった。自分が好きな言葉で自分の表現でしゃべったり書いたりしてるのに表現が「いまどき」じゃないよと笑われる。「いまどき」ってそんなに素敵なことだろうか。私は古いのだろうか……。
 そう考えるうちにドンドン意地になってきて、「いまどきなんてどうだっていいや」と思えるようになったのはここ最近、三十を越してから。もう自分の言葉でしか書けないや、「いまどき」にゃなれないや、と開き直ってからラクになりましたけどね。だからブログのタイトルも昭和系、なんて冠つけてみちゃったり。そう、「古っ!」とか言われても「ホラ、私昭和系だから」とか言っちゃったりなんかして。うん、災い転じて福となす……ちょっと意味違うか。
 私が腑に落ちないのは、たとえば息災なら息災って言葉、フレーズの意味を伝えたときに「知らない。日本語ってそんな表現あるのね」でどーしてすまないんだろうとってことだ。いろんな表現知ってた方が豊かで素敵じゃないか。日本語って面白いな、となんでノッてくれる人少ないのかなあ。いまどきって言葉を出されると、いきなりその人と私の間に深く大きな境界線を引かれたようでビックリしてしまう。ああ、結局ナニがいいたいのだろうか今日は。かねてより思っていた不満というか不服を書いてみようか、と思ったけど、やっぱり上手くいかなかったなあ。ネガティブな感情を文章にできれば一人前だな、と思ってトライしましたがまだまだ巧くいきません、精進あるのみ。がんばろう。


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