植木等、難続き新幹線……心辺雑記

在原業平さん

 こと「桜」に関する想い、感慨の類いはそれこそ千ウン百年の昔から日本人の格好のエッセイテーマだったんだよなあ。それだけに優れた定番フレーズは山のようにあるわけだ。桜について何か書こうとしても、オリジナリティのない陳腐な文句しか浮かばない自分が……ああ、嫌ですね。昨日は四谷の土手に咲く桜を通りすがり眺めた。もう満開だ。散る桜の花びらに「三日見ぬ間の桜かな」だの「世の中に絶へて桜のなかりせば……」だの、お決まりの名文句が頭に。考えてみれば在原業平がこの句を詠んだのが大体1100年前ぐらい。うーん……なんというすごいコピーライターであろうか。今生きてたら電通とかでブイブイ言わせてる(死語)じゃなかろうか。というくっだらない枕で最近気になった出来事を列記。


植木等さん死去。
 とうとう……というのが正直な思いだが、すごーく、すごーく好かれていた人なんだなあと実感する。新聞をはじめとする報道や、雑誌などでのエッセイ、記事の取り上げられ方からしてその熱量に驚く。ひとりの俳優としてなら、私なりのオマージュもある。しかし彼は、俳優としての仕事と同時に「時代感」というものをつくったシンボルだったんだなあ、と感じ入る。大衆に「最も近い隣人」と感じさせたスターがまた召された。


○新幹線の難
 先日東海道新幹線がトンネルを抜ける際、男性の死体があるのを発見、事実確認が済むまで運転を停止するという怪事件があった。新幹線のトンネルにぽつりたたずむ死体……もう完全に推理小説の世界。聞いた瞬間なんともそら恐ろしい気分になったが……正直に言うと、そして本当に悪いのだけれど、ちょっと……ワクワクしてしまった。どういうトリックで死体を遺棄したのか? 田舎の新幹線のトンネルなんてそうそう入れるもんじゃないだろう。それに入ったとて、もし新幹線が来たら怖いぞー。それをおしてまでそこに放置しなければいけなかった意味は? なーんて空想に耽ってたら、自殺説が濃厚のよう。なーんだ。一瞬にして怒りに。もし自分が何時間も足止めされた客だったら……。


○新幹線の難・2
 こちらは完全にワガママ男による事件。京都駅を出発した東京行きの新幹線、「ドアが開いてる」との表示が出て緊急停車。「何事!?」と調べると非常用ドアコックをいじってる男が発見され、逮捕に。そのドアを開けちゃった理由が、「上りと下りを間違えちゃったから」という自己中心的もここまでくればある意味立派な理由によるもの。なんという直球……。かつて岩下志麻が飛行機の窓をのぞいていると地上に面白そうなものを発見、おもむろに「ちょっと、止めてくださる?」と言うCMがあったが……大女優でもないのに人に迷惑掛けちゃいけません。


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