CARSICK

読んでないんだけどさ

 ああ……苦しい……非常に個人的なことで恐縮だけれど、幼い頃の「持病」が復活したようで嫌で辛くてたまらない! というのもオーバーだけれど、ひとことで言って「乗り物酔い」、これが酷いんですね私。昨日1時間半ぐらいかな、とある取材の都合で車に乗ったらまあムカつきのひどいこと。その後しばらく(食事中の方ゴメンなさい)サルトルの本みたいな状態になってしまった。


 小さい頃の私はもう車に乗るや百発百中だった。すぐ「うえー」と涙目になって車を止めてもらい、もどしていた。息子の度重なる嘔吐、せっかくの休みに行楽地へ向かう我が家の車は進まない。明らかに両親はイライラしていたと思う。そのぐらい何度も「とめてー」「降ろしてェー」と弱っちくわめいた。でも、こちらだって辛かったのだ。
「酔わないと思えば酔わないのよッ」そんな精神論を母・フジエがいったのを覚えている。確かにそれは事実だ。「あっ、酔いそう!」と思った瞬間からなるべく何も考えないようにすること、これって結構大事だもんなあ。黙っておとなしくして、やり過ごそうと思うと、どんどん気持ち悪くなるのが常。しかしそれを悟るには私はまだ5歳、ちょっと子供過ぎた。フジエの英才教育も早すぎたんじゃないだろうか。
 止めてもらった草むらでゲェーゲェーやってるときにフト、「振り返ってパパ達の車がなかったらどうしよう」と不安な気持ちになったことがある。しかし思いっきり「しょうがねえなあ」という顔をしつつも、二人はいつでも後ろにいた(当然だけれど)。どんな面倒くさいことを、面倒をかけても待っててくれる存在がいたのだなあ。ありがたかった。
 もうすぐ32歳の誕生日を迎えようというオッサンは、講談社のトイレでうずくまりながら、そんな情景をなんとなく思い出した。フラフラと扉を開けて出る私を待っていたのは、「大」をしたそうなどこかの亀井静香に似たおじさんだった。
 

○追記
先週末の記録日記もまとめてアップしました。


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