ロストロポーヴィチ、若年性アルツ、最近の雑記2

稀代の毒舌家 ドロシー・パーカー

 今日も昨日に引き続き、最近思ったこと、書き留めておきたいことをズララッと列記。
○若年性アルツなのか
 コラムニスト、中野翠さんを敬愛しているのは何回もここに書いているが、「ここまで真似しなくていい」ということを先日やってしまった。銀行のATMでお金を下ろし、私はふと明細を見て「お金って雪みたい。掌で溶けてすぐなくなる……」というアメリカの女流作家、ドロシー・パーカーの名言を思い出していた。そして嘆息を漏らしつつ、銀行を出て買い物に行ったそのとき!

ない……下ろしたはずの1万円がない! スリ? 巾着切り!?  いーや違う、己が置き忘れてきただけだ……走った、走った、脱兎のごとく。はい、新宿通りを先日の土曜日、血相を変えて汗だらけで走っていた中年男は私です。いやー焦った。幸いお金は銀行に戻っていたものの、反省すべきはですね……これ、初体験じゃないんですよ。以前も明細を見つつ、物思いに囚われてお金を置き忘れてしまったことがあるのだ。貧乏人ほどお金に縁がないというか執着しないといいますが……「バカは死ななきゃ治らない」私はこの手の失敗をするといっつもこの言葉を思い出してしまう。中野さんも同じことやったことあるそうです。


○体力低下、致し方なかろうねえ
今朝「とくダネ!」(フジ系)で、いかに今の子供が歩かないか、という特集をやっていた。30年前と比較して、(どのくらいの期間のデータか忘れたが)昔の子が約2..5万歩だとすると、今の子は約9000歩ぐらいの比率で減少していた。それに伴う体力低下を憂えていたがか……「仕方ないよねえ」という感慨しか浮かばない。だって家にいるの面白いんだろうなあ。コンピューターとゲーム、これで一日「もって」しまうんだろう。こないだ初めて「Wii」を友人宅でやったが、まー愉しいもんです。うん、どこにいくにも便利、遊び場になる場所もない世の中を作って面白いものドンドン開発したんだもの、「しょーがない」としか思えない。


○リアルが持つ迫力
 先日終電間際、井の頭線の渋谷駅周辺を歩いていたら警官が何人も立っている。ほろ酔いの私は「うおーカツ丼食いたい! カツ丼別腹!」とか叫びながらフラフラ歩いていたのだが、現場検証みたいなことやってる警官の足元をのぞくと、大きな、黒いこんもりしたものがある。よく見てみると、それは流れ出た血だまりだった。うーん……血ってドス黒いものなんですね。そして液体、というよりもネットリとしてるというか、表面張力が普通の水よりも強く盛り上がっているような印象だった。それはこう、その血自体が生きているかのような肉感的な盛り上がりで、動物を生かしている迫力みたいなものがあった。そして見た瞬間、自然に吐き気を催して驚く。血は結構な量だった。そこから類推される「死」に私は怯えてえづいたのだろうか。水曜スペシャル眠らない街―東京24時最前線―」を間近で感じた夜。カツ丼どころか、次の朝まで食欲はなくなっていた。


○訃報二つ
 先月21日にドキュメント映画が日本でも公開されたばかりなのに、ロストロポーヴィチが亡くなってしまった! チェリストで指揮者としても活躍した大芸術家だ。いろんな名盤もあるし、チェロ演奏はそれこそネット上に山のように推薦され哀悼されているだろう。私はひとつ、マルタ・アルゲリッチと指揮者として共演したショパンの協奏曲第2番を挙げたい。ロシア人の指揮、アルゼンチンのピアニストが奏でるショパンの世界、こんなにもエレガンスで濃密なロマンティシズムは滅多に味わえない。素晴らしい芸術をありがとうございました。
■彼のドキュメンタリー『ロストロポーヴィッチ 人生の祭典』公開中。
http://www.sokurov.jp/
監督は昭和天皇を描いた『太陽』を撮ったアレクサンドル・ソクーロフ
[rakuten:ebest-dvd:10738558:detail]


 そして訃報欄では「音楽家黛敏郎さんの妻」として紹介されていたが、元女優の桂木洋子さんが亡くなられた。「可愛い」という言霊の権化みたいな人で、現在でも通用するような、今なお好まれるようなキュートさのある人だった。木下恵介作品に多く出てらしたが、早くに引退された。以前、文藝春秋から出ていた名雑誌「ノーサイド」(大好きだった……)で昭和の女優達を特集した際、若山セツ子とのツーショットで登場したので、それを知ってる人もいるのではないだろうか。76歳なんてまだ早いなあ、ご冥福をお祈りします。
 


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