純粋なる科学的実験―中村紘子さんの場合―

お若い頃のを選んでみました

 政財界、芸能界、スポーツ界……世のあらゆるジャンルにおいて輝く「トップ」の方々というのは、常に大衆の羨望です。みなさんもその胸の内に、秘かに慕い、目標とし、憧れ続けた自分だけの「スター」がいらっしゃるのではないでしょうか。
 しかし、悲しいかなスターとて人間。トップ・オブ・セレブレティのみなさんとて、誰しも一度ぐらいはその輝かしいキャリアにおいて「あちゃあ……」な過去を持ってらっしゃるもの。振り返ってみれば「やるんじゃなかった」思い返せば「消したいッ!」と切に願うであろうような、そんな「しょっぱい思い出」を背負ってこそ、人間なのでしょうね。ヒーローとてみな等しく神の子……私は今日そんな無常観に打ちのめされています。

 さて、話はガラリと変わるようですが、日本を代表するピアニストに中村紘子さんという方がいらっしゃいます。日本最高権威である音楽コンクールで史上最年少で優勝、ジュリアード音楽院に日本人初の全額奨学金で留学、ショパンコンクールに日本人初の入賞、母は画廊経営、夫は芥川賞作家、エッセイストとしても名を馳せ、カレーづくりならプロ級の腕前。「何が出来ないの」とツッコミたくなるような経歴の持ち主です。加えて天与の美貌も幸いしてか政財界の彼女のファンはカウントレス! アート系セレブレティの間では彼女のカレーパーティに呼ばれることこそがステイタスの証であり、「紘子イヤなの」といえば国家法案や為替レートさえも引っくり返らないとの噂です。さすがに言い過ぎ。
私はピアニストというよりも、そんな「ライフ・パフォーマー」としての紘子女史を長年愛しておりました。英語でいうなら「LOVE」ではなく「ADORE」。しかし、しかし……!
 先日とある友人が「あなたが好きだと思って」と某動画のアドレスを送ってきてくれました。それを見て私は、久々に「驚天動地」という熟語で頭が一杯に!! 中村紘子さん、あろうことか「左手でショパンの幻想即興曲を弾きつつ、右手で料理を作る」というわけのわからない行為に及んでいます! よく番組を見てみれば「人間は二つのことを同時に考え、行動できるのか」みたいな「科学的実験」らしいのですが、どう見ても「大道芸人」「珍芸」「ネタ」としか思えません。清水ミチコさんが「左手で『戦場のメリークリスマス』のテーマを弾き、右手で『一休さん』のテーマを弾く」というネタをデビュー当時からやってますが、それの発展系にしか見えません。ともかくもご覧下さい。<ウルトラアイ> http://www.youtube.com/watch?v=VL_vT23INsU
 どうでしょうか……ファンなればこそ「驚天動地」の心境ですが、みなさんにとってはひょっとして「呵呵大笑」なのかも……。紘子さんは当時「本当に純粋な科学的興味」からこの実験参加を決意されたのでしょうが、今これを見てどう思うのか。紘子ウォッチャーの私はそこが、知りたい。小ネタのつもりがえっらい長くなりました。皆様どうぞ良い週末を。
<たまにはクラシックのひとときをいかが?>
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中村さんのヘアが最も盛り上がっていた時期の素敵なスナップがジャケ写です。


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