すでに超法規的俳優・市川海老蔵

若成田

 今、市川海老蔵から目が離せない。と、いうよりも彼を巡るマスコミから目が離せない! マスコミ連中のからかいっぷりがねえ……本人には悪いが「とことんネタにしてやる!」という腹の割りっぷりでおっかしくて仕方ない。「とくダネ!」なんて「今週の海老蔵」などという素敵にふざけた見出しをつけたコーナー作っちゃってるぐらだもの。言うまでもなく月替わりの勢いで新恋人が出てくる海老蔵を揶揄しているんだろうが、これといったニュースもないのに歌舞伎座楽屋口に張り込まれて「海老蔵さん、今週は新恋人どうですか!?」なーどと訊かれる方は堪らないだろうなあ、といいつつ不思議にその情景は笑える。笑っちゃう。
 私が不思議なのは、これだけ取っ替え引っ替えしていても「海老蔵ならしょうがないか」みたいなコンセンサスがあるところだ。今までこの手のスキャンダルが出ると「女の敵!」だの「不誠実だ」だの、男女どちらからか嫌悪の対象にされて叩かれたものだけど、この方の場合「もう笑うほかないでしょう」みたいな取材スタンスに終始されている。勝手な推測だが「ご人徳ゆえ」という感じもしないしなあ。
私が彼を巡るマスコミ取材に感じる面白さってのは、こうだ。彼はあの若さにして、その恋愛取材スタンスが「エリザベス・テーラーなんと7度目の結婚!」とか「上原謙さんに赤ちゃん誕生!」みたいな「あらまたですか」という感嘆や賞嘆、そして軽い嘲笑の混じったまなざしによってなされている。そう、それは米倉涼子が喝破した「お盛んですねえ」というスタンスに他ならない。しかしそれは、決して悪いことじゃないと思う。それは多分、規格外的「大物」として世間一般がすでに彼を捉えている、ってことだもの(リズや上原謙のことを世間は決して「普通の人」だなんて思ってなかったろうし、あああの人ならおかしくないわ、という目で最終的には見ていたと思う)。そう、海老蔵はもはや(なぜか)超法規的俳優。ただ、彼が持っているのはまだ「大物感」であって「実質」ではないのだ。そこのバランス感覚をどうやって取っていくか、それがこの俳優のこれからを決めてしまうと思う。


●お知らせ

ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。

http://blog.with2.net/link.php?198815

ご意見などはこちら→hakuo-a@hotmail.co.jp