1週間の心辺食雑記

彼女もある意味「ふぞろい」だった

 こないだ総武線で異様な、としかいいようのない光景を見た。その人は40歳ぐらいの女の人で、化粧っ気のない顔にもっさりとした古い感じのパーマを当て、白いブラウスに地味な紺のスカートをはき、座っていた。「ヤッケ」という表現が一番しっくり来るようなアウターを手に抱え、寒いのか膝にかけていた。すると彼女はおもむろにあぐら(!)をかきだした。ヤッケは下着隠しだったのだ。私は度肝を抜かれた。更に私をビビらせるかのように、彼女はバッグからなんとリンゴを取り出し、おもむろにかぶりついた。真夏の畑で取れたてのトマトに農夫が食らいつくような、見事なかじりっぷりだった。
 不思議なんだが私は彼女を見てて、なんだか、悲しくなった。
 以前私は、「ランチを取りつつ日野日出志を読む女」という衝撃的な存在を目撃したことがあるが、それとはまた別のもの悲しさのある人だった。何かこころの荒涼としたものを感じたのかもしれない。日曜は恒例、自分のために1週間の記録。

 
1:今週のものごと
○また記事になったらお知らせしますが、とある雑誌の仕事で「昼メロ」について書くことになった。その資料として「真珠夫人」「牡丹と薔薇」を一気にDVDで観た。放映当時にちょこちょこ見ていたのだけれど、うーんやっぱりお腹いっぱい! やっぱり森下涼子は素晴らしい女優ですね、この方あってこそ「真珠夫人」はヒットしたのだなあ。
○代官山のお菓子屋さん、「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」のレシピ本が新しく出たイベントに呼んで頂く。弓田亨シェフ直々に目の前で作ってくださったチョコ・スフレが感動的に美味しい……幸せ。スフレというのは日本の卵ではどうしてもうまく膨らまないんだそうですね、そこで彼一流のやり方で工夫をされ、オリジナルレシピを考案したのだとか。そういうことも含めてレシピ本には書かれてあるそうです。またこれは別に書く。色々勉強になりました。呼んでくださった出版部の山田さん、ありがとうございました。このお店の公式ホームページ http://www.ilpleut.co.jp/
○↑上のお菓子屋さんに行くとき、ひっさしぶりにハリウッド・ランチ・マーケットなんか寄っちゃいました。なつかしー。初めて行ったのは高校一年生だったかな、友達のケンタとメンズ・ノンノのマップなんか片手にして、こそこそ隠れて地図見てようやくたどり着いたりなんかしたこと思い出します。いやーかわいいTシャツやら靴やらほしいものばかりで、そういうコーフンも久しく味わってなかったなあ。はい、稼がなきゃねえ。
○ばーったり4年前に付き合ってた人に街中で再会、久しぶりに飲む。私はこの手の昔のゆかりの人間との邂逅が異様に多い。でも昔の恋人と仲良く飲めるってのは楽しいことです。
○大好きなペルモ・アルモドバル監督の新作『ポルベール』の試写へ。いつもながらに映像デザインの素晴らしさ、色彩の美しさが素晴らしい。これまた大好きな女優、カルメン・マウラ(私的にアルモドバルの作品で一番好きな『グロリアの憂鬱』の女優だ!)が久々に出ていて嬉しいものの、老けたなあ……。


2:今週の食
○今週は画期的に書きもの仕事が多かったので、半ひきこもり状態だった。なので近くの広瀬屋肉店のお弁当が大活躍。写真右はカツ丼630円。なかなか美味しいです。セブンイレブン冷やし中華などもよく食べた。なんと蟹やら海老まで入っている。すごいものだなあ。私は出来合いの冷やし中華に香菜をパラリ、黒酢をちょっとかけて食べるのが今のお気に入りだ。
○数少ない外食は四谷でいつもバイトしている「ママス&パパス」でたまにはお客さん。たこと新玉ねぎのセビーチェ、小エビのガーリック炒めなど。ちなみに後者の料理は映画『華麗なる一族』で前半、佐分利信京マチ子月丘夢路が夕食に頂いてる料理でもある。ほんとにここは全部美味しい。
  


●お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuo-a@hotmail.co.jp