渡り鳥に恥をかかされた雨の午後

演歌界のプリンス

 新宿駅西口から地上ロータリーに出ると、一台の街宣車が音楽をかけていた。大きなスピーカーから大音量で「♪ズンッ、ズンッズンッ、ズ・ン・ド・コッ!」のフレーズが流れる。当然のごとく、それに続いて私は「きっ・よっ・しっ!」と心の中で合いの手を入れていた。そう、それは「さッわやかにィ〜♪」と歌われた瞬間「パンパン!」と手を叩いてしまう反射神経と一緒(ex.水前寺清子「ありがとう」)。またこれは「星のフラメンコ」における「好っきなんだけェどォ〜」の後に続く「パパパンッ!」の手拍子とも同一の衝動だ(ex.西郷輝彦)。このへんの一連の行動をしてしまうかどうかで、その人の「昭和系度」が簡単に計れます。みなさんもぜひ一度お試し下さい。

 すっかり心は氷川だったのだが、その後すぐ街宣車から流れた出たのは甲高いマイトガイの声! 思わず私は瞬間「旭のほうかよ!」と口に出して言ってしまった。隣で信号を一緒に待っていたご婦人(還暦ぐらいか)が「プッ」と笑ったのを私は聞き逃さなかった……恥ずかしい……。しかしその恥ずかしさは声を出したことではなく、間違えたほうに過分にあるような気がする。それでいいのか。
 若き日のマイトガイ小林旭さん。ヒット作「渡り鳥シリーズ」のちょっと前ぐらいでしょうか。


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