言葉の置き換えの理由は?―山口県母子殺害事件―

hakuouatsushi2007-07-05

 なんか……最近つとに思うのだけれど、「漢字」ってないがしろにされているなあ。漢字、そして熟語の持つインパクトって重く、強いものだ。それを意識的に避けているのだろうか、ヘンな言葉のすり替えが異様に多い気がしている。
 などといきなり書き出して何が何だか分からないでしょうね。山口県の母子殺害事件に関して、あるひとつの疑問を私は考えずにはおれないんですよ。

 彼=被告は一人の女性を殺して、そのあとレイプしたわけです。日本語でいうと「死姦」したわけですね。しかし、テレビではほとんど「性的暴行」という言葉に置き換えて使っている。うーん……なんだか意味合いが変わってくるような気がするの、私だけかなあ。「死姦」と「死後性的暴行」では、こぼれ落ちるニュアンスが余りにも多いのではないだろうか。
 テレビ関係者の友人に尋ねたところ、「純粋に聞き取りづらいって理由もあると思う。しかん、ってパッと聞いて分かりにくいでしょ。それから別に、皆があまり聞きたくない言葉、っていう理由もあるかもしれない」という意見だった。確かにねえ。
でもなあ、理由はともあれ、なんとなく「聞こえのいい」言葉を共有してしまっているわけでしょう。それ自体が本来持つ意味合いをボカしてしまっているような、誤魔化した結果を生んでいるような、そんな気がしてしまうのだ。有名な例でいうと、「ヘア=陰毛」「援助交際=少女売春」みたいなもんです。なんとなく「性的暴行」って、ちょっと「ぬるい」言葉に感じられるのは私だけかなあ。
 死姦……それにしても、すごい言葉だ。行為自体の持つ異常性と、罪の重さが如実に現れている。「死姦をした男」という言葉を用いるだけで、その罪を犯した人間の背負わねばならない十字架が感じられる。異常で反社会的な行為をした人間に貼られるレッテルとして、最適といったらおかしいけれど、相応の強い、恐ろしい言葉だ。
 犯罪者への執拗な糾弾は当然よろしくないことだけど、犯罪の行為自体をソフトにぼかすような言葉遣いまでする必要はないと、私は思うのだが……うーん、結局何が言いたいのか、何を根本的に疑問に思ってるのか明確に出来なかったな。「論旨が甘い」とお叱りを受けるかもですが、こーいう雑記もたまには記しておきたかったのです。


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