もはや女衒―川口市の高校3年生、売春斡旋―

今村昌平監督作品

 たいしたもんだ……ことの善し悪しを超えて、私はアングリと口を開けてしまう! 思いっきり不謹慎だが、正直私は感心してしまった。今日のニュースでご存知の方も多いだろうが、埼玉県川口市で高校3年生の男が、3人の女子高生を操り、のべ120人以上に売春を斡旋、380万円を荒稼ぎしていたという事件。「悪いやつの顔を暴きたい・晒したい」という考え方とはまったく別の意味合いで、私はこの男の顔が見てみたい。誤解を怖れずに書くが、純粋に興味がわいて仕方ないのだ。弱冠17歳にしてこの思考性と実行力、それらをどうやって身につけたのか。この首尾のよさを獲得するまでには、どんな道を歩かざるを得なかったのだろう。たんなる直感でしかないが、「顔」を見れば、何かがわかる気がする。どんな「面構え」をしてるのか、私は知りたい。

 供述によると6割を女の子の取り分としていたってんだから……改めて恐れ入る。もう立派な女衒(ぜげん)だ。プロ顔負け、玄人はだし。380万を稼いだのも、たった2ヶ月間……お恥ずかしいが年収にしたって私、敵いません(笑)。
 セックス関係やそのスジの裏社会の人間というのは、不思議と共通した「ニオイ」を持っている。直接的であれ間接的であれ、性風俗で金を稼ぐ男たちには特有の雰囲気があるものだ。ましてやこの少年、働かせていた女は元カノ(安っぽい言葉だが、この事件には合っていると思うので使用する)だったというのだもの。『桜姫東文章』の釣鐘権助みたいじゃないか(女郎に売るのと働かせるのを同時にやってるんだから、悪の度合いは権助以上だ)。色悪のような風情があるのか、大悪らしい凄みがあるのか。はたまた一見ヤサ男風な冷血漢なのか。どんな修羅を負えば17歳でこんなことをするようになるのか。その内面が表層に現れていないはずがないと、私は思ってしまう。
 思いっきり皮肉だが、この少年って明治から戦後ぐらいまでに、色街で働けたら良かったのにねえ。天才的な周旋屋(女給やホステス、売春婦をそのスジの店に斡旋する人・女衒と同義)として大活躍しただろうに。売春防止法施行以前なら、こーいう「才能」も活かせたわけだ。モラルって時代と共に変わるのだなあ。これももちろん皮肉です。
 なーどと軽口叩いてますが、私が本当に驚いているのは、いまだにネットで少女買春する人っていーっぱいいるんだなあ、という事実のほう。うーん……あっぶねえなあ。結構みんな欲望に忠実なんですね。「危ない橋」だと分かっていても。パクられるかもしれない、と思ってても、セックスしちゃった人が120人いたわけでしょう。お金で18歳未満の子とセックスできるシステムが厳然として世の中にある、という事実のほうはサラッと流されている気がするの、私だけかなあ。

 
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