古館伊知郎に対する野暮なあれこれ

もはや清水アキラの持ち歌

どーして古館伊知郎は「庶民の代表」というポジションにこだわるんだろう? なーんで「市民」とか「国民」とか「主婦」とかの視点にこだわるんだろうなあ……。先日から考えているが、どーにもわからない。私はこの人の話を聞くたびに「ホントーにそう思っちゃってるわけえ?」とツッコミたくなっちゃって、変に生真面目な気持ちになっちゃって、もーどうにも疲れちゃうんだよなあ。
 赤城徳彦農林水産大臣の事務所費問題、先日の「報道ステーション」では安倍首相の「光熱費は800円ですよ」との発言を受けて彼は「腹立たしいですねえ……」と眉間にシワをたっぷり作って怒っていた(風だった)。「サラリーマンが増税を課せられる中、こんなことがまかりとおっているのです」とまたまた眉間にシワをこれ以上無理というぐらい寄せて、怒っていた(ように見えた)。それはあたかも「よこはま・たそがれ」を歌っているときの、五木ひろしのような眉間だった。うん……そう、ひろしなのだ。クサイのだ。あ、分かった、伊知郎はひろしなのだ! 

 今のひろしはともかく、昔のひろしはクサかった。「♪あッンのォ〜人ぅわ行っッて行っッてしィまったァ〜」とこぶしともタメともつかぬ独得の節回しをグワングワン利かせ、うねりにうねって歌いまくっていた。静かにキャスター(調で)語る伊知郎、一見まったく違うスタイルだが、発している「濃さ」は同質のものだ。かたや「男演歌」という世界のベタさ、かたや「市民派キャスター」という怒れる庶民代表みたいなベタさを体全体で表現している。演歌という世界ではピッタリはまる特質なんだろうが、ニュースを読む・伝えるという行為には全然馴染まないスタイルなんだけどね。
 かねがねから「ほんとうにそう思ってるのか?」ということが伊知郎に対する私の疑問であり、不満だったが……私はバカだったのね。今分かったが、あの方はニュースで「玉置宏的名調子」をやってただけなんだもの。「涙をのんだ悲しさを・胸にしまって早三年・今日も帰らぬあの人を・そっと偲んで唄います・大月みやこさん涙の熱唱!」みたいな文句に意味も感情もないものねえ。この手の「枕詞」と古館のコメントは同義だったのだなあ。いやー今までイチイチ苛々していて本当に損した。これでスッキリ! ようやく「報道ステーション」を平穏な気持ちで見られるな。
 でもまあ、これからは「本当にそう思ってるのか」と怒る方向ではなく「なんちゅう芸のないコメント……」とウンザリする方向に変わるだけかもしれないけれど。


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