「ヒロポン映画劇場」第9回

女優の業を描いた傑作

 現在発売中の「CDジャーナル」9月号(音楽出版社)にて、映画コラム「ヒロポン映画劇場」が掲載されています。今回は懐かしの角川映画『Wの悲劇』を取り上げました。この映画を知らない人でも、「私、お爺さまを殺してしまった!」というフレーズは一度ぐらい聞いたことがあるのではないでしょうか。現在三十代前半以上の(一部の)人々には、強烈な印象を残した作品です。

 コラムの枕にもしていますが、「私、お爺様を……」というフレーズは流行語にもなりました。当時の人気番組「ひょうきん族」では山田邦子の物真似十八番でしたし、女優・あめくみちこは平成の今でも得意ネタとしてたまに披露しています。そこまでこのセリフが浸透した理由はなんだったのか。この映画のインパクトとはなんだったのか、自分なりにコラムにして見ました。どうぞ読んでやって下さい。
○追記
 うーん、しかし先日の映画感想『めがね』でも書きましたが、薬師丸ひろ子の変遷を思うと、いい意味で感慨深い。この『W……』のころのまさに「時代!」という輝きは凄いですね。「個性」と「媚」という相反する要素が絶妙にブレンドされていて、「アイドルスター」という抽象的な存在を見事に具現化している。そして今現在、実に味のある女優に成長した事を思うと、この人もサバイバーだなあ、ウィナーだなあ、と畏敬の念を持って見てしまう。。