小池百合子の「腹の割り方」

わたしの名は百合子

「女の政治家がしたたかなのは当たり前でしょう。したたかじゃない永田町にいる女なんて、去ったほうがいいわ
 小池百合子番という某雑誌記者が先日テレビで「彼女は私にこういった」と、語っていたコメントです。メモしたわけじゃないから一字一句正確ではないが、内容はほぼこのとおりだ。素晴らしい……このときから私は、彼女のこの「信条」だけは好きになった。ちょっとファンになったといってもいい。「そうか、開き直っているわけだ。わかりやすく『女であること』を武器にして生きると決めてるわけね」そう思ったからだ。その思考論理の良し悪し、好き嫌いは置いといて、私は「これが私の信念なのよ」という行動軸を持っている人、というのが嫌いになれない。その分かりやすさが、私には好ましい。

 一番よくないのが、どっちつかず。「女の政治家のスタンス」を私なりに考えて三人を例に挙げてみると、「たか子で行くか、百合子で行くか、蓮舫で行くか」ということに集約される気がする。誤解を招く言い方だが、旧来からの既存のイメージ、男性にとって都合のいい形での「女」を捨てて政治に参するか、逆にそこは最大限利用・活用しつつ地盤を固めるか、もしくは「政治に男も女もない、実力あるのみ」というノー・ジェンダーの考えを取るか、乱暴に説明するとこんな感じか。
蓮舫氏は別にこう発言しているわけではないが、私には彼女のスタンスがそう見える、ということです)
 私は最近、この3つのパターンのそれぞれ「いいとこ取り」をするような、半端でつまらない女性政治家が多いなあと思っていたのだ。いまだ声高に「女性の権利拡大!」だの、「戦争を女は許さない」ということばかり口にして、「だからその先どうすんの」ということが見えてこない頭デッカチな人ばかりで、ちょっとウンザリしていた(女性の権利拡大という人の多くは、他の弱者層の格差問題に関して無知・無関心な人が多いのもゲンナリ)。主婦だの母親だの、それだって私から見れば「女性性の利用」に思えてしまうしなあ……って、話が逸れだした。
 私は小池百合子という人の……分かりやすい「野心」、女の活用っぷりを、不謹慎だが面白がっていた。よーくVTRに使われる「小沢一郎とのデュエット映像」など、自分がもし銀座のママだったらホステスに「御見本」として毎夜見せたいぐらいだ。あのときの小沢一郎の相好の崩しっぷりは只事ではない。ギターを持った渡り鳥(@小林旭)ならぬ、マイクを持った政界渡り鳥、それが百合子。カラオケwith百合子で「ういやつじゃ」と思ったジイサンは何人いたことであろう。ああ、百合子にはピアニスト・中村紘子と共通する「インテリのおじさまが辛抱たまらん何か」があるのだ!(中村紘子の政界パイプの強さ、そして彼女に心酔するファンの多さは文化人の中でも屈指)そして、その結果(というのはあんまり失礼ですね、元来お持ちのチャームと教養・経験の合わせ技によって)得た「55歳にして大臣経験2回」という経歴、すごいもんじゃあないか。うん、今回の事務次官との稚拙な遣り取り、サッとマスコミに辞意を表明する狡猾なタイミングも、「さほど、したたかでもなかったわけね」「田中真紀子と一緒」と断じるは実は尚早なんじゃないか!? 何ヶ月か経ってみると「なんとまあ、したたかな!」と驚かざるを得ない結果を生み出しているかもしれない。なーんてね。


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○今日は何の日
第2次安倍内閣の新メンバーが発表された。個人的には、官房長官に任命された与謝野馨氏のシワガレ声を通り越した壮絶な喋り方に「体もつんかいな」という一抹の不安、そして法相に任命された鳩山邦夫氏の「兄弟のパイプも活かしたい」というコメントに「そんなもんあったんだ」という軽い驚きを覚える。