塚田真希・賛!

まさに「滂沱」

 年をとる、ということは人間にとって種々の変化をもたらしていきます。それはネガティブ、ポジティブ共に様々な側面があるわけですが、どこか「スレる」という一面があるのは否めないように思います。そう、感動する心や、何かに対して「面白い!」と感じる「心の沸点」が上がっていく、と言い換えることも出来るでしょう。例えば大昔、はらわたがちぎれるぐらい笑わされた芸人さんの懐かしのVTRを再見すると、「なんでこんなもんで笑っていたのだろう……」と不思議に思うことはないでしょうか。
 前置きが長すぎますね。何が言いたいのかというと、その「スレっぷり」が大層私は進みすぎちゃってるなと自覚しているわけです。そんな私に最近、コペルニクス的笑いを与えてくれた方がいました。スレた私に新たな笑いのポイント・オブ・ビューを教えてくれたミューズ、それが塚田真希さんです、ありがとう真希! 先日のフジ系「すぽると!」での発言を、是非こことどめておきましょう。
 「私の悩み」というテーマでのトーク。なんでも塚田選手、疲れた体を癒しにサウナに通うのがお好きなんだそうですね。「仲間2〜3人とサウナ行くんですよ、そして水風呂に入るのが大好きなんです」と語る彼女。練習で疲れた体をクールダウンさせるのに、水風呂は最適なんだそうです。ええ、誰しもこの流れなら「ああ、水がなくなるぐらい溢れちゃうのが悩みなのね」と推測するんじゃないでしょうか。実際、私もそうでした。しかしたたみ掛けるように彼女が発した言葉は!
「すぐに水温が上がっちゃっうんですよ、私達が入ると」
……感動しました。瞬時に上がる水温……よく高温で熱した石を水に入れて沸騰させる料理法がありますが、あんなもんでしょうか。不意を突く、という最も高級な部類の笑い、堪能させていただきました。
 とかく女性がこの手のネタを披露すると、「笑っちゃいけない」みたいな禁忌感がありますが、彼女がやるとまーったくそれが醸し出されないのが素晴らしい。悲壮感というか、「私、デブでイヤなの」みたいなセルフ嫌悪が微塵もないんですね。それはある種のプロ意識というか、選手としての自分に対する誇りと自信が、とてもいい形で身に付いているからだと思う。勝利の際に見せる彼女独得の、あの「滂沱(ぼうだ)」としかいいようのない泣き顔が、私は好きだ。イノセントだもんなあ。いい意味で、子供の泣き顔だ。練習に対する大人の姿勢と、心の子供さのバランスが、この選手の魅力であり、そこがあるからこそ、「水温が上がっちゃう」というコメントが素直にギャグになりえるんだと思う。


○今日は何の日
自分が習っている日本舞踊の師匠、そのリサイタルの下浚い。東京三宅坂国立劇場の大稽古場にて。今は国立劇場の係り、貸付って言わないんですね。以前私は養成科の生徒だったのだけれど、それとおぼしき浴衣姿の若者が通り過ぎる。今は昔。帰りに師匠と一緒にロイヤルホテルにて食事、その後恵比寿の着物屋、「わえびす」の周年パーティに。昔渋谷にあった「チェルシー・カフェ」というライブのあるお店、そのスタッフが一日だけ復活。スタンダード・ナンバーを披露していた。和洋目まぐるしい一日。


○お知らせ
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