「エリカ様」記者会見に思う

ギャートルズルック@秀征

「エリカ様」と、こう書くだけで……あはは、なんか笑っちゃいます。ていうか、この事件に関して「マジで目くじら立てて怒る人がいる」ということに何よりも驚いてしまう。結構「ガキのワガママを許すな!」だの「映画関係者が可哀想だ!」なんだの、何様だ、思い上がりだ、と切り口上な発言が多くて、ビックリ(勝谷正彦さんがキレてるのにはビックリ。あーいうキャラ好きそうに思っていた)。うーん……私だけかもしれないが、なんて「素直」な子だろうとしか思わなかった。

この人を私は、その(噂として喧伝される「ワガママ」「強気」「尊大」という)芸風を、「プチ・デヴィ夫人」のようなものだと思っていた。デヴィ……彼女は誰がなんと言うおうと、(いまだに)「パリ社交界の花形にして東洋の真珠」。刑務所に入れられるような事件起こそうと、誰を怒鳴りつけようとも、「仕方がないじゃないのデヴィだもの」、皆がそう思わざるを得ない、そんなコンセンサス。その世間ズレっぷり(ある意味の大器だ)を、あははーと楽しませて頂いていく、そんな面白がり方をしていた。ネガティブイメージを恐れず自分を貫く、ってだけで芸能人としてはひとつの生き方、だと思うしね。
我儘が匂う、似合う女というのは一定数いるものだ。M気のある男たちからしたら、「叱りつけられたい女」とでも呼ぶのだろうか。そんな雰囲気を彼女はムンムン漂わせている。我儘が似合う女、というのは……ある種の「クラス」だと私は思う。「ワガママ」はガキのすることだけど、「我儘を通せる」これができるようになったら、それはクラスを昇った女の特権だ。自分の自信とプライド、そして実力を認めさせ、納得させるというテクニック――大女優というものの必須条件じゃあないだろうか。そんなふうに、この21歳の女優がなっていったらいいなあ、と漠然と思っていた。ワガママで勝気な娘から、我儘の似合う女優へ、なーんてね。
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もっといえば……ちょっと私は喜んでいた。当たり障りのない発言・言動ばーっかりな「ローリスク女優」が多すぎるもの。それでいて実生活やバックステージで品行方正、性格良好というわけでもなく。パブリックイメージを大事にしつつ、実生活では結構な「女優」、それでいて堅実な生活を好む……ああ、小物だ! なんで芸能界というヤクザな世界で、安全パイばっか振りたがるかなあ!? 「芸能人」と自分を呼称するなら、沢尻エリカの「素直さ」の万分の一でも手本にして欲しい、とちょっとアンチテーゼながら思ってしまう。
  いや……分かってもらえない表現かもしれないけれど、女優ってさあ、もっと「ロックな存在」じゃないかと思うわけですよ。何ていうか……世の中とか、メインストリームの人々を不思議にアジテーションしちゃったり、挑発しちゃったりする、危険なまでに蠱惑的な、悪魔的な存在であるべきなんじゃないか!? なーんて、何熱くなってるんでしょうね。
  キチンといつか考えてみたいが、古くは加賀まりこ、そして秋吉久美子関根恵子など、スキャンダラスにマスコミとやりあってきた人ってのは「ツッパる以上の覚悟」ってのをどう持っていたんでしょうね。そんなことをいうと「昔の女優は根性が違ったもの」という懐古・礼賛チックになる人ばかりで、本当の状況が中々みえない。みんな「エリカ様」(私もイヤミったらしくイチイチ「」つけてますが)のように反抗しては打たれ、強くなってきたのだろうか。そのへんのところ、訊いてみたいなあ。と……書いていれば「エリカ様号泣会見」の知らせ。
 …………なんだよう。女優なんだから「もっとツッパれー!」「へこたれるなー!」とちょっと応援しようと思っていたのに。本心から泣くなら「あ、ただ単に子供だったんだね」で終わるし、筋書きだとしたら、周囲のことを「下手な作家だなあ」としか思えない。「エリカ様」はともかく、「沢尻エリカ」は演技力のある女優だ。あと何回かツッパらせて、堪え切れず涙をこぼしてしまうような、もっと大衆ウケする筋を考えられなかったものか。と、すべては妄想。
 ※この騒動について風化が進む前に書き残しておきたく、放浪記も終えてませんが書いてみました。


○今日は何の日
昨日のことになるが、日舞の師匠の会が国立小劇場にて。久しぶりにスーツを着る。隣の大劇場では歌舞伎公演、楽屋口にて帰り際の高麗屋を見かける。スーッとしていて、さすがに役者の風格漂うこと濃厚。私は大昔、この人が主演した大河ドラマ山河燃ゆ」という番組が好きで、「こんな男に将来なりたい」といったことがある、らしい……。確かまだ小学2年生ぐらいだったはず。時は流れり。


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