ネットレス・デイズ 2

ふざけたツラしやがって

他のメーカーは知らないが、au光ファイバー設置までの道のりはこんな感じ。
1:最初に住所から、光システムができる地域かどうか調べる
2:それがOKなら、工事申し込みの予約。大体4週間(!)待ちの状況
3:そして、実際に業者(auが委託している全く別会社の人間)が家にやってきて、工事となる
 そしてまれに、構造上どうしても光ファイバーを設置できない物件があるそうで、「当日、そのような事態が発覚する場合があります。ご理解下さい」みたいなことが、確かに書いてあった。読んでいたわけじゃないのだけれど。
「このマンション、光ファイバー引けない物件ですね」
4週間を返して-----そのフレーズしか思い浮かばなかった。あれは小学4年生の春……母と幼馴染のノジリ一家とでやった、忌まわしきトランプ大会が瞬時に思い出される……。呪われたかのように常に「ババ」を的確に引き続けた屈辱の一戦……先に上がった母親たちが「かわいそうよ」などといいつつ漏らす笑い。最後の最後でも当然のようにジョーカーを引く私。嘲笑が爆笑に……「もしもし、白央さん……?」遠い目をしていたであろう私を業者が呼びかけ、我に帰る。
「開通する方法はあるんですが……」それには、マンションの外壁に穴を開けなければならないのだという。その場で管理会社に電話するも、返答はもちろん「NO」であった。しかしそれ以上に、衝撃的な返答が帰ってきた。
「マンション自体がフレッツ光に入ってますから、そちらを利用してください」
 なんと……じゃあ今日まで待っていた時間はなんだったのか! 「仕事で必要なんです、4週間ってどーにか縮められませんかっ」半ばクレーマーのようにKDDIに懇願したのも無駄な努力……ちゅうか第一、今日ここに来てもらった業者に合わせる顔がない。最初に「光ファイバー工事済み物件」と明記するのが今の常じゃあないだろうか……どこに向けたらいいのか分からない怒りと憤りを堪えつつ、素直に謝った。
「フレッツが通ってるみたいなんです……本当に、折角来てもらったのにすいません……」
「いいですよ、いいですよ」
優しい顔つきをした茶髪の兄ちゃんは、そういって笑ってくれた。ただ、それに続けて
「でも……光を引いているようには見えませんけどね。まあ、ADSLならできると思いますよ。それじゃ」とだけいって、去っていった。
 見事なまでに、「一抹の不安」というフレーズの使用例みたいな空気が流れた。
<つづく>


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