魔太郎とスズメバチ

こんな気持ち悪いTシャツどこで……

「今年は特に多いなあ、この一年で3000件は駆除したよ」
スズメバチがエラい増えてるんだそうですよ皆さん。怖いですねえ。先の文句はスズメバチ駆除業者のおじさんがテレビで言っていたセリフ。この言葉が、私のとある妄想を駆り立てました……。
 一概には言えませんが、大体ひとつの巣で200〜400匹ぐらいのスズメバチが住んでいるそうです。あのウニョウニョ動く幼虫やらサナギも含めたら、いったい何匹詰まっていることでしょう。それを3000個もあのおじさんはホロコーストに……。
 昔々その昔、「魔太郎がくる」という藤子不二雄・A先生の傑作がありました。この漫画、思いっきり簡単にいうと「日頃いじめられっ子の中学生が呪力で復讐しまくる」というストーリー。「このウラミ、はらさでおくべきか!」(いや、はらすべき)という、古文における反語の使用例みたいな決めセリフでまあ人を呪う呪う。「人を呪わば穴二つ」という教訓なんか「クソ喰らえ!」的アナーキズム溢れる怪作でした。
 はいここまで前置き、ともかくその本の中にこんなエピソードがあったのだ。魔太郎は蝶の幼虫を大事に育てていたが、当然のようにいじめっ子の邪魔が入り全部死なせてしまう。もちろん魔太郎は復讐に燃え、呪いまくってその子たちを芋虫に変えてしまう……。間違いなくやり過ぎ。報復にもほどがありますが、この作品を呼んだときの気持ちが、先のニュースを聞いてよみがえりました。
 あの業者……3000×200〜400匹、ってことは少なく見積もっても900000匹ものスズメバチを殺したんだなあ…。一匹でも魔太郎みたいなやつが可愛がっているスズメバチがいたらさあ大変。朝起きたら「ひょうきん族に出た榎本三枝子」みたいな格好にいきなりなっていたりして……ってふざけちゃいけませんね。しかしまあ…業者さんたちって、「たたり」的な後味の悪さってないのだろうか。いや、もちろん仕事だし、困っている人の代わりにやっていることなのだけれど。考えてみれば駆除業者というのも大変ですね、もし一瞬でも「あわれ」だの「業」を考えてしまったら、仕事にならないのだろうなあ。白アリ、ネズミ、さまざまな駆除業者がいるけれど、その辺の折り合いというか、供養的なことってしているのだろうか。ちょっと調べてみたい。


 今日も疲れたなあ。風呂に入ってさあ一杯。とにかく今日の巣はここんとこで一番デカかった。一番大きなゴミ袋にやっと入るぐらいのものだったしな。と、そのとき、うしろで「……ブーーーーン」という羽音が聞こえた。振り返ってみると虫の気配はない。空耳か。窓も開けないで朝出かけたのに、なぜ。と、カーテンを開けてみればそこには…。


 なーんて怖い思いしたハチ駆除業者の人、いないもんでしょうかね。


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